コーポレートガバナンス・コード施行から3年目を迎え、いわゆる攻めのガバナンスとしての企業統治改革が進められつつある中、守りのガバナンスという側面では、大手メーカーによる製品データ改ざんなど、企業不祥事が依然として後を絶ちません。
企業価値を増大させながらビジネス(利益)もコンプライアンス(倫理)も同時に追求するというコンプライアンス経営が求められる中、企業価値の向上と毀損防止に向けて企業は何をすべきか、その答えは一体どこにあるのでしょうか。
本BDTIセミナーでは、企業法務を研究するGBL研究所の理事で、2014年1月~2017年12月に上場企業により公開された調査報告書を基にこれまでに145件の企業不祥事を分析した渡辺樹一氏をお迎えします。ガバナンス、コンプライアンス、内部統制という3つの分野における実務経験を通して、数多くの事例を分析したからこそ見えてくる、不祥事の全体的な傾向や問題の背景、問題の本質等について、ガバナンスの観点からの論点を整理していただき、企業として今後検討すべき具体策も含めて形式論に留まらないガバナンス改革の要点についてお話頂きます。
続くパネルディスカッションでは、渡辺氏に加え、日本マクドナルドホールディングス株式会社社外取締役で当機構理事の上田昌孝、田辺総合法律事務所パートナー弁護士で当機構理事の市川佐知子、司会の当機構代表理事ニコラス・ベネシュも交え、渡辺氏が提示したガバナンスの論点や、具体策、社外取締役や取締役会のあり方等について議論します。ご参加いただきました皆様からも、現場で直面する疑問、課題について提起いただき、パネリストと共に考えていきます。お申込みの際パネリストに対する質問、現場における疑問等がございましたらご記入ください。当日のディスカッションでできる限り採り上げさせていただく予定です。コーポレート・ガバナンスの中核を担う取締役会メンバーの方のみならず、これらを支える立場にある方、今後のコーポレート・ガバナンスの在り方にご興味のある方にも広く積極的にご参加いただきたいセミナーです。
【セミナー概要】
開催日時: 2018年3月20日(火曜)13時半~16時半(3時間)
開催場所: 同志社大学東京オフィス
http://tokyo-office.doshisha.ac.jp/access/map.html
参加費: 一般 5,000円 賛助会員 3,000円
定員: 60名
★お申込みは以下のボタンをクリックして下さい。
【講師略歴】
渡辺 樹一 氏
一般社団法人GBL研究所理事
1979年一橋大法卒、伊藤忠商事入社。エネルギー部門にて石油開発等に従事。1998年アイダエンジニアリングにて国際事業推進室事務局長、管理グループ長、欧州事業副社長兼CFO、内部統制監査室長等を歴任。2011年からジャパン・ビジネス・アシュアランスにて企業統治・内部統制構築・上場支援などのコンサルティングを手掛ける。 米国公認会計士。早稲田大学非常勤購師、一般社団法人GBL研究所理事、東証1部上場会社の社外取締役なども務める。
執筆:「IFRSと企業法務」「統合報告と今後の着眼点」「企業不祥事・不正防止への組織的対応」(ビジネスロージャーナル)「監査法人のガバナンスコード」(週刊エコノミスト)、「企業不祥事の原因はどこに」(日経産業新聞、日経電子版)など。
講師: 上田 昌孝
KCJ GROUP 株式会社 エグゼクティブ・アドバイザー
BDTI理事、日本マクドナルドホールディングス株式会社 社外取締役
1979年一橋大学経済学部卒業後、三菱銀行入行。1983 年から17年間、アメリカン・エキスプレス・インターナショナルで勤務。個人カードビジネス担当バイスプレジデント、グローバル・ネットワークサービス日本/韓国地区担当責任者などの職務を担当した。2000年にAIGグループの通販保険会社アメリカンホーム保険会社に移り、2001年より会長兼CEO。2007年には、ライブドアが事件直前に買収した株式会社セシールのガバナンス再構築およびビジネス再建を委嘱され、同社会長兼CEOに就任。最終的には2013年の株式会社ディノスとの合併に導いた。現在は、子供向け職業体験施設Kidzaniaを運営するKCJ GROUPのアドバイザー(2014年5月~)、公益社団法人会社役員育成機構(BDTI)理事(2014年6月~)、日本マクドナルドホールディングス株式会社【2702】社外取締役(2016年3月~)、株式会社光通信【9435】顧問(2016年10月~)、株式会社スカラ【4845】顧問(2017年7月~)などを務める。
パネリスト:市川佐知子
BDTI理事、田辺総合法律事務所パートナー弁護士
東京大学法学部を卒業後、第一勧業銀行(当時)に入行。弁護士登録後、田辺総合法律事務所において勤務弁護士として稼動し、企業側労働法を専門分野とする。米国ジョージタウン大学法科大学院で履修後LLMを取得、その後ニューヨーク州弁護士資格を取得する。同事務所に戻り、複数の有価証券報告書虚偽記載損害賠償事件の被告側代理人を務め、不十分な内部統制が企業に与える甚大な影響と、事件発覚後に必要な取締役会のリーダーシップについて知見を有する。
司会:ニコラス・ベネシュ
BDTI代表理事
米国スタンフォード大学政治学学士号取得後、米国カリフォルニア大学(UCLA)で法律博士号・経営学修士号を取得。旧J.P.モルガンにて11年間勤務。米国カリフォルニア州及びニューヨーク州における弁護士資格、ロンドンと東京で証券外務員資格取得。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)の理事兼成長戦略タスクフォース座長を務める。2010年より、法務省と法制審議会会社法部会に対し会社法改正に対して意見を提供している金融庁主催コーポレートガバナンス連絡会議に所属する。これまでに、在日米国商工会議所理事、同対日直接投資タスクフォース座長、内閣府対日直接投資会 議専門部会の外国人特別委員、株式会社アルプスの取締役、スキャンダル後の株式会社LDH(旧名ライブドア)、株式会社セシールの社外取締役を歴任した。その他、JTP代表取締役として数多くのM&Aアドバイザリーを務めた経験を有する。2013年より、日本の成長戦略の一環として金融庁主導のコーポレートガバナンス・コードの策定構想を提案し助言を行う。
役員研修については実施している会社も多いとは言えず、研修内容も会社によって違い、まだまだ役員研修の分野は未発達です。会社役員育成機構(BDTI)では一日国際ガバナンス塾で会社法、金商法、CGコード、財務、ケーススタディなど役員として基本的な知識を身につけるための研修をはじめ、英語版ガバナンス塾のBoot Camp、役員だけでなく現場の方々にも基礎的な会社法やコーポレートガバナンスを理解していただくためのeラーニングなど多様な研修を行っております。