COMEMO:「「ESG=投資撤退」ではない」

「前回取り上げたノルウェー政府年金基金は「投資撤退(ダイベストメント:divestment)」の活動で注目を集めることが確かに多いです。実際、先月の日本経済新聞の記事では石炭火力発電比率の高い日本の電力会社6社から資金を引き上げたことを取り上げています。」

https://comemo.io/entries/8300

ESGとSDGsとの関係

最近、ESG投資の話題を持ち出すと、SDGsで話しましょうと言われることが多くなった。

Environment, Social, Governanceを重視する投資と、 国連が掲げるSustainable Development Goalsとの二つは、どのような関係にあるのだろうか。識者の整理は種々あるようだが、ざっくり見るには、次で良いのではなかろうか。つまり、コーポレートガバナンス・コードができたので、Gは焦点が絞りやすくなったが、ESGのEとSは何を指すのか未だふわふわしている。その点、SDGsは開発のゴールが17個設定されているので明確であり、取り組み対象を設定しやすい。だから、ESGのGを少し横に置いて、ESを詳しくしたのがSDGsである、と。投資家と事業会社が対話するときには共通言語が必要であるが、より詳しく対話する際にSDGsが役立っている模様である。

金融庁から「金融行政とSDGs」が公表された。

CGコード改訂に関するパブリック・コメントの注目点 (役員研修)

東京証券取引所が6月1日に公表したコーポレートガバナンス・コード改訂版に先立ち募集していたパブリック・コメントの内容とこれに対する同取引所のコメントが合わせて公開されました。BDTIが注力している役員研修(同資料では『取締役のトレーニング』)について、その対象の拡大、具体的内容の開示等のコメントが寄せられ、これに対しエンゲージメントの観点からも積極的な開示が推奨されていることが注目されます。

経産省、CGS研究会(コーポレート・ガバナンス・システム研究会)(第2期)中間整理を公表

経産省は、5月18日、昨年12月に.立ち上げたCGS研究会(第2期)によるCGSガイドラインのフォローアップの結果をCGS研究会の中間整理として取りまとめ公表しました。今夏を目途に、CGSガイドラインの改訂を行なわれる予定です。

中間整理の概要

(1)社外取締役の活用
社外取締役には、企業経営に関する最低限のリテラシーに加えて、アベイラビリティやコミットメントも求められることや、社外取締役を総体として捉え、全体として必要な資質・能力を備えることを検討することが有益であること、CGSガイドラインにおいて、社外取締役の再任に関する基準を設けることを検討するよう記載することなどを提言しています。

経済同友会、『社外取締役の機能強化「3つの心構え・5つの行動」 ―実効性の高いコーポレートガバナンスの実現を目指して―』

5月22日、経済同友会は、『社外取締役の機能強化「3つの心構え・5つの行動」 ―実効性の高いコーポレートガバナンスの実現を目指して―』と題する提言を発表しました。

経産省「開示・対話に関する“4つの視点”と“4つのアクション”」

5月18日、経産省は、企業の「稼ぐ力」向上のため、統合報告、ESG開示・投資を促進するとして、「開示・対話に関する“4つの視点”と“4つのアクション”」を取りまとめました。昨年12月に立ち上げた「統合報告・ESG対話フォーラム」の報告書の内容をまとめたものです。

開示と対話の促進のために必要な4つの視点:

  1. 「目的を持った対話」を理解する
  2. 共通言語を活用する
  3. 社内でも対話する
  4. 投資家が企業評価手法を示す

8/29(水)BDTI一日役員研修『国際ガバナンス塾』満席(今後の予定は調整中)

BDTIでは、コーポレートガバナンス・コードの提唱者であるニコラス・ベネシュを初め各分野の専門家が、取締役や監査役としての基本的な知識を身につけるための研修「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています。執行役・部長など役員を支える立場の方々にとっても、この知識は不可欠なものです。ケース・スタディを随所に組込んだ実践的な研修です。

講義内容
当日の講義には最新の動向を盛り込むため、一部内容を変更させていただく場合があります。予めご了承ください。 ※尚、お申込みいただいた方には、eラーニングコース「会社法」の6ヶ月無料使用権が付与されます。

金融審議会ディスクロージャーWGに係る意見 (ニコラス・ベネシュ)

ニコラス ベネシュ(個人として)
平成30年5月18日
  1. 総論

企業の持続的・長期的な成長のため、いわゆるESG(環境・社会・ガバナンス)の投資手法が日本でも広まってきていますが、私はこれまで、この中でも特に「G(ガバナンス)」が重要であるという認識のもと、コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードの制定・発展に寄与すべく、金融庁や日本取引所グループ等に対して様々な働きかけを行ってきました。今では、日本のコーポレートガバナンスは、(もちろんまだ不十分な点も多いですが)世界的に見ても急激な発展を遂げていると評価できます。

そうした中、企業情報の開示・提供は、企業と投資家を結び付ける重要事項です。しかしながら、今のままでは、この点で日本は主要国から遅れを取る恐れがあると言わざるを得ません。いかに近代的なコーポレートガバナンス原則の枠組みを構築しても、多数の企業の比較分析が可能な形でそれぞれの企業の現状が投資家に伝わらなければ画に描いた餅になってしまいます。コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードを車の「両輪」として機能させるため、企業情報の開示・提供のあり方を検証し、整備することは、今日本において最も必要な喫緊の課題であると考えています。(このことは、コーポレートガバナンス・コードを提唱する時から私が強調していた点です[1]。)

以下、この点に関して私がお伝えしたい点をいくつか述べます。

BDTI/METRICAL共同研究アップデート:「CGプラクティスと価値創造のリンケージ」

BDTIとMETRICALは、「CGプラクティスと価値創造のリンケージ」を共同研究しているが、このほど時価総額約100億円超の約1,800社の上場会社について2018年4月末の分析結果をアップデートした。

本分析では、CGプラクティスをボードプラクティスとアクションに分けて考えた場合、ボードプラクティス(取締役会の運営体系)とアクション(実際の企業行動)が価値の創造の指標とされるROE, ROA, トービンのqと有意性のある相関があるかを分析している。

CGコード導入以来、それ以前に比較して一定程度のボードプラクティスの改善は進んだと言えるが、株式会社の目標が価値の創造であるという前提に立った場合、その改善が価値の創造に繋がっているか定点観測することに意義があると見ている。

今回の分析結果において確認されたことは、次のようにまとめられる。