東証、相談役・顧問等の開示に関する「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」記載要領を改訂

東証は、8月2日、経済産業省の『コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)』、政府の『未来投資戦略2017』 における、社長・CEO経験者で相談役・顧問に就任している者の人数、役割、処遇等について外部に情報発信についての提言を受け、「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」記載要領の一部を改訂したことを発表しました。下記項目が追加されました。

磯山氏ブログ『「モノ言う株主」に変身する機関投資家 注目される「議案賛否の個別開示」』

経済ジャーナリスト磯山友幸氏のブログで今年の株主総会における議決権行使の動向について、「生命保険会社など機関投資家が「スチュワードシップ」活動を一段と強化し、株式を保有する企業の議決権行使について、保険契約者の利益を第一に考える姿勢を鮮明にしていた」と分析しています。

大きな変化が2点あげられています。
① 予想以上に会社側議案への反対票が目立った。
② 議決権行使内容の賛否を個別開示する意向を固める機関投資家が出てきた。

9月14日(木)・9月28日(木)会計フォローアップ講座 :『役員として読む財務諸表』-受付中!

役員に必須の知識・スキルを学ぶBDTIの一日役員研修『国際ガバナンス塾』参加者からのフィードバックで一番多い内容は、財務に関する知識不足の認識と補強の必要性です。これを受け、BDTIでは会計に関するフォローアップ講座を企画しました。

役員は様々な局面で財務諸表を読むスキルを求められます。取締役会として資源配分を決めるとき、投下資本利益率向上を図るとき、新規投資を検討するとき、自社の財務諸表を承認するとき、M&Aで相手企業を評価するときなどです。また、投資家とのエンゲージメントの際には共通言語としての会計が物を言います。そしてこのスキル不足が結果として大きな損失を呼んだ例も近年枚挙にいとまがありません。

Bloomberg 『守りのセコム、年金運用はアクティブで攻める-ガバナンス重視』

Bloomberg佐野七緒記者と竹生悠子記者は、事業会社(金融機関除く)の年金基金で唯一、機関投資家の行動原則「スチュワードシップ・コード」を受け入れている国内警備業界トップのセコムの年金基金についてレポートしています。BDTIが以前より課題として指摘している年金ガバナンスを取り上げ、ベネシュ代表理事のコメントも掲載されました。

GPIFのスチュワードシップ活動原則、議決権行使原則は「各国のコーポレートガバナンス・コード」について言及

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、6月1日に公表した「スチュワードシップ活動原則」「議決権行使原則」に下記のように各国のコーポレートガバナンス・コードに関する言及があることは注目に値します。

スチュワードシップ活動原則
○運用受託機関は、コーポレート・ガバナンスに関する報告書、統合報告書等に記載の非 財務情報も十分に活用しエンゲージメントを行うこと。
○運用受託機関は、各国のコーポレートガバナンス・コード又はそれに準ずるものの各原 則において、企業が「実施しない理由」を説明している項目について、企業の考えを十分 にヒアリングすること。

議決権行使原則
○運用受託機関は、各国のコーポレートガバナンス・コードが企業に対して求めている事 項を踏まえて適切に議決権行使すること。同様のコード又はそれに準ずるものが無い場合 には各運用受託機関が投資先企業に求める水準に従って適切に議決権行使すること。

パナソニックによるパナホーム完全子会社化の対価はなぜ上がったのか?

外国法事務弁護士・米NY州弁護士 スティーブン・ギブンズ(Stephen Givens)

パナソニック・パナホームの完全子会社化取引
従来の買値が言われた通り正しければ、なぜその後20%引き上げたのか?

パナソニックは昨年12月、東京証券取引所1部に株式を上場する住宅事業子会社パナホーム(大阪府豊中市)を株式交換で完全子会社にすると発表した。ところが、今年4月、この株式交換の契約を解約し、代わりに、市場で株式を公開買い付け(TOB)することで完全子会社にすると発表した。これら発表が実現した場合にパナホームの一般株主が受け取る代金はそれぞれ大きく食い違っているが、それに関するパナソニックの説明はおよそ信用できない。これは、日本のコーポレートガバナンス(企業統治)の遅れを示している。

パナソニックは昨年12月の発表の後、「上場子会社」住宅メーカーのパナホームを完全子会社化するための株式交換提案の妥当性を繰り返し主張してきた。それらパナソニックの説明が本当に正しければ、4月になっての提案変更は必要なかったはずだ。しかし、パナソニックは提案を変更した。それまでパナホームが一般株主に説明した対価の計算と数値のどの部分がなぜ変わったのかを明確に説明することなく、パナソニックは対価を突然およそ20%(180億円相当)引き上げた。パナホームの株主にとっては、昨年暮れの提案より、ましな提案だと言えるが、パナソニックの株主にとってはどうだろうか。

パナソニックの株主は、当然のことながら「なぜ我々の財布から出る180億円分の値上げが本当に必要なのか?」についての説明を求めるだろうが、パナソニックの経営陣はその説明責任を十分果たしていない。パナソニック株主としては、パナホームをできるだけ安く100%子会社にしたい、と考えるのは当たり前だ。パナホームの一般株主は、原案より対価が20%も高くなり悪い気はしないだろうが、その反面、原案の説明が正しくなかったことが明白になり、その変更案を信頼するに足るか疑問を感じざるを得ない。その変更案の信頼性の担保がないからだ。

なぜこのような始末になったのか?

GPIF、「スチュワードシップ活動原則」と「議決権行使原則」を公表

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、6月1日、「スチュワードシップ活動原則」「議決権行使原則」を公表しました。国内株式及び外国株式を運用する運用受託機関に対して議決権行使を含むスチュワードシップ活動の遵守を求め、これを適切にモニタリングし、運用受託機関と積極的に対話(エンゲージメント)を実施するとしています。

GPIFがこうした方針を公表したことは、確かに大きな進展と言えます。ただし、以下に引用した内容などを見ると、他の国の公的年金と比較するとまだまだ曖昧でとても短い方針にとどまっています。どちらかと言えば、投資先企業がコンプライしていない時に「その企業の考えを十分にヒアリングすること」に重点を置いているという印象です。議決権行使方針に関しては、これまでと同様GPIFとしての方針はないため、結果的には運用機関任せとなっています。年金ガバナンスの問題にご興味のある皆様はどの様な印象を受けたでしょうか?

経産省『価値協創ガイダンス』公表

経済産業省は、5月29日、『価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス -ESG・非財務情報と無形資産投資-』(価値協創ガイダンス)を公表しました。企業価値向上に向けて、企業経営者と投資家が対話を行い、経営戦略や非財務情報等の開示やそれらを評価する際の手引となるガイダンス(指針)と位置付けています。(説明資料)

ガイダンスの概要:(以下引用)