01/23(水)セミナー『議決権行使動向~SS及びCGコード改訂後の特徴と ISSの議決権行使方針および今後の動向~』受付開始!

2017年に「スチュワードシップ・コード(改訂版)」が公表され、2018年には改訂コーポレートガバナンス・コードに【原則2-6企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮】が新設され、コーポレート・ガバナンスの向上への寄与を機関投資家にも求める流れが鮮明になっています。機関投資家の議決権行使による意思表示が、コードの改訂によってどのように具体的に変化したのか、また今後どのように変化していくのか?企業担当者ならずとも関心は高まる一方です。

そこで、本セミナーでは、BDTI代表理事のニコラス・ベネシュが改訂コードで注目すべきポイントとBDTIの最新の調査に基づくコード改訂後の議決権行使結果の傾向分析を簡単にご紹介した後、世界有数の議決権行使会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)株式会社エグゼクティブ・ディレクターの石田猛行氏から、ISSの最新の議決権行使に関する方針の解説、今後の議決権行使における変化の方向性についてお話しいただきます。さらに、ホワイト&ケース法律事務所/ホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所(外国法共同事業)(以下、「ホワイト&ケース」)の宇佐神順弁護士から、これらの議決権行使の潮流を受けて今年度の株主総会に向けて企業、投資家双方はどのような対応が考えられるのかをお話しいただきます。

続くパネルディスカッションでは、企業年金連合会理事の濱口大輔氏に加わって頂き、様々な視点で意見交換していきたいと思います。
企業のIR担当者のみならず、取締役会メンバーやこれを支える方、コーポレート・ガバナンスにご関心のある方、機関投資家サイドのアナリスト、議決権行使担当者等の皆様にも広く積極的にご参加いただきたいテーマのセミナーです。

3年間の働きかけが奏功!5社の企業年金がスチュワードシップ・コード受入れを表明

金融庁が11月15日時点で新たにスチュワードシップ・コード受入れを表明した企業年金に三菱商事企業年金基金が加わったことは喜ばしい事です。(「新たに「受入れ表明」をしていただいた機関投資家を色分けしたもの」をご参照ください。)すでに受入れを表明していた企業年金;セコム、パナソニック、NTT、エーザイと併せ、5社の非金融企業の年金基金が受入れを表明したことになります。セコムは最初から表明していましたが、その他の年金基金は、私が首相、企業年金基金の監督官庁である厚労相に要望し、企業年金基金によるスチュワードシップ・コード受入れの促進を目的として厚労省に規則の変更を求める提案書を提出し、結果として厚労省、企業年金連合会、専門家、オブザーバーとして金融庁の担当者が集まる「チュワードシップ検討会」がつくられてから受入れを表明しました。

将来に向けた骨太なストーリーの開示(松田千恵子教授)

11月14日、首都大学東京大学院松田千恵子教授が中期経営計画開示の「リスク」と題して日本経済新聞のコラムに寄稿し、企業と投資家のエンゲージメントが益々重視される中、企業の中の中計の位置づけも自ずと変化することが求められていると指摘しています。

イビデン株式会社 - スキルマトリックス開示の例!

やっとやっとスキルマトリックス!!引用します。「取締役も含んだ開示が必要」by 黒田一賢様。(イビデンのスキルマトリックスは株主総会招集通知のページ10にあります。

「2017年に主要な日本企業でスキルマトリックスの開示が始まってから、質・量ともに充実してきています。量については別投稿で詳しく紹介したいと考えていますので、本稿では質について述べていきます。最初に公表を開始した企業はCGSガイドラインに準拠して、主に社外取締役のスキルセットについて紹介していました。しかし前回述べた通り、取締役会の実効性向上を目的として社外取締役を指名するには、社内昇格の取締役のスキルをまず棚卸しなければ効果的とは言えません。すなわち1)取締役会が保有すべきスキルを特定し、2)現在の取締役においてスキルの過不足を判断し、3)特に過剰または不足するスキルについては社内外の取締役の選解任によって調整を図る必要があります。それに一早く気づいた企業は社内昇格取締役も含んだスキルマトリックスを公表しています。
このような企業の1社にイビデンがあります。同社の2016年の株主総会招集通知には取締役候補の在任期間や担当職務、取締役会の出席状況が示されているのみでした。2017年には「社外取締役候補者の知見・経験一覧」として社外取締役候補者6名の専門性や外形的な多様性の開示を始め、2018年には社内・社外取締役候補者全12名のスキルマトリックスを公表しました。、、、」

ISS:「議決権行使助言方針(ポリシー)改定に関するコメント募集」

「ISSは、議決権行使の助言を行っています。2019年の日本向けポリシー改定では「社外役員の独立性判断基準への株式持ち合い関係の追加」を検討しています。上記ポリシー改定案についてのコメントを募集します。ご意見は2018年11月1日までに氏名と所属組織名を明記の上、日本語もしくは英語でjp-research@issgovernance.comまでお送り下さい。日本以外の各国のポリシー改定についてもコメント募集しています・・・」

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「ライブドア事件とは何だったのか」(ニコラス・ベネシュ)

日本経済新聞オンライン版に、10月1日、「ライブドア事件とは何だったのか」というコラムが掲載されました。スキャンダル後の独立社外取締役として、金商法訴訟に対する防衛戦略の担当役員を務めた私としては、「事件は何だったか」についてコメントしたい見解が多々あります。

1)虚偽記載は確かにあったが、特捜部の劇場型捜査はやりすぎだった。家宅捜査を始めた時点では何を探しているか分からなかった。(普通なら、捜査開始前にNHKを呼んでいる場合ではなかった。)

2)他の不正事件事例と比較し、捜査のやり方および個人が受けた処罰には不公平さの印象(事実)が残った。

3)結果、日本の若者の起業家精神、新しいことへの挑戦する野心、「おじさん」が支配する社会・システムに対する信頼に冷や水を浴びせた。LDは上手に経営され、整合性がある「戦略」を持つ企業ではなかったが、若者にとっては「我々も会社を作って、面白いことができる!」象徴的な存在だった。

4)事件は、TSEに自社コンピューターのキャパシティー増設を加速させた。(事件当時、LDの発行済み株式総数は全上場企業の株式総数の何と30%以上だった。(!!))

また、

5)私が当時主張したように、即座に上場廃止されず猶予期間をもたせるための「特設注意市場」が設けられた。(これは明らかにLD事件の反省にたって、東証にて2007年11月に設立された制度。)

6)金商法の新しい条文であった21条の2の初めての適用として日本の金商法解釈にとって歴史的に重要な判例がでた事件だった。同条文は民間原告による(民事)訴訟が大幅に楽になっただけではなく、被告企業に立証責任を転嫁する(米国に存在しない)とても厳しい法律である。したがって、当時、私は訴訟の防衛・反証を「因果関係」で争うために多数の経済学者、アナリスト、内外の法学者など(10社?)を集めてありとあらゆる手段をとった。事件は、数年前の法改正で厳しさが緩和され、strict liabilityから「過失責任」にかわる原因の一つだった。

この経験を踏まえて、

7)私は役員研修に特化する「公益社団法人会社役員育成機構(BDTI)」を設立した。

私は堀江さんに会った事はないが、同氏が事件後に少なくとも日本では「回復」して活躍されている事実は若者にとって失敗から立ち直るチャンスはあるという事例として、最終的にはプラスの面もあったのではないかという気がしています。
–ニコラス・ベネシュ

ブルームバーグ「米物言う株主、ADEKAの日農薬子会社化は不平等と再考促す」

ADEKAの日農薬子会社化に対する海外機関投資家の声をブルームバーグが報道しています。

「TOB発表前の日農薬株の終値は667円で、TOB価格はこれに35%上乗せした価格。一方、第三者割当の価格は670円と低いが、日本では直前の市場価格であれば特に割安な価格とはみなされない。ギブンズ氏は「株主を平等に扱うなら応募分を全て900円で買うべきだ。安く支配権を手に入れるために少数株主の権利を不当に害している」と指摘する。

大和総研の横山淳主任研究員は、一般論としてTOBと第三者割当は金融商品取引法と会社法がそれぞれを規定しているため、少数株主への配慮が「不十分な面はある」と話す。金商法では、TOBで保有比率が3分の2以上に達しなければ応募分を強制的に買い取らせる規定はない。ギブンズ氏は組み合わせ買収について「法的な抜け穴に目をつけたものだ。規制されない限り、今後も繰り返し利用される」と警告する。」

日経ビジネス「外国人投資家、怒り収まらず~ADEKAの日本農薬子会社化」

ADEKAによる持ち分法適用会社の日本農薬を連結子会社化決定について、その複雑な子会社化の手法について、日本農薬の株主、特に外国人株主から不満が噴出しているという日経ビジネスの記事です。

「怒りに輪をかけたのが、米国居住株主がTOBに応募できない規定だ。米証券法はTOBに細かい規則を定めており、日本企業が順守するのは難しい面もある。米証券法の適用を避ける目的で米国株主の応募を認めないケースはこれまでもあった。ただ、その場合も米国株主は株価がTOB価格に近づいた段階で市場で株を売却してTOBに応じたのと同じ効果を得ることができた。

ところが今回はそれもできない。日本農薬の株価は今回のTOB発表後、一度もTOB価格に達していないからだ。TOBで買い取るのが全体の18%という条件が株価の重しになっている。日本農薬がADEKAの連結子会社になった後も上場を維持することもやり玉に挙がる。日本独特の「親子上場」の形だが、これは親会社と子会社の少数株主の間で利益相反を生むため、国際的に批判が高まっている。「こうした風潮のなかでの親子上場化は株主軽視と言われかねない」(市場関係者)との見方は多い。」