日本の機関投資家のESG投資は本物か?

下記のリストは確定拠出型年金基金の運用会社別運用資産残高のリストです。これらの運用会社の内、海外の資産運用会社の中には、設立以来9年間企業研修の提供とガバナンス・プラクティスの調査分析によって日本のコーポレート・ガバナンスの向上に貢献することをミッションとするBDTIをご支援くださるところがあり、感謝申し上げます。一方で、ご支援くださる日本の運用会社は一社もありません。私から見ると、話題のESG投資がこれらの運用会社にとっては単に運用資産集めのための方便の様に思えてなりません。これらの運用会社の人々は、研修や内部の議論無くして取締役会の実効性や資本効率について魔法の様に改善すると本当に考えているのでしょうか?IRの責任者と資本コストの重要性やESGへの配慮について1時間半程度の面談をするといったことを言っているのではありません。海外の機関投資家は企業との面談に加え、BDTIの活動支援のための寄付など本気の活動を続けています。

COMEMO:「英国の戦略に学べ 政策と一体でESG投資拡大」

「以上のタイトルの記事を10月8日発売の『日経ESG』11月号に寄稿しました。

  • 株式会社の歴史に始まるコーポレートガバナンスがこの20年で環境・社会面を取り入れ、いかに強化されていったか
  • それを容易にした英国金融業界の自主性、および金融大国として君臨し続けるための政策はいかなるものだったか
以上の点に触れつつ、日本独自の戦略構築の必要性について説明しています。
ぜひご一読ください。」

COMEMO:「ESGは大企業のためのものか」

「ESG投資では指数への選定等上場企業、特に大企業の取組に注目が集まりますが、取組の効果という視点では未上場企業を含む中堅以下の企業の方が重要です。もちろん新規に取組を始めるということもそうですが、既存の取組をESG要因と結びつけ企業価値創造のストーリーを補強することで投資家を魅了できるためです。

前職では未上場企業ファンドの投資家の依頼で、投資先である北欧の未上場企業のESG調査を担当したことがあります。その未上場企業は主に再生可能エネルギー関連の企業で、取り扱っている製品・サービスは申し分のないものでしたが、投資家は当該企業のリスクマネジメント能力の測定も兼ねて、ESG調査を依頼してきたのでした。未上場企業は上場企業と比較して情報開示の水準が低いのが一般的ですが、取組が無いとは限りません。実際、それぞれの未上場企業と直接コミュニケーションを取ると、環境や品質に関する方針を持っている企業は少なくありませんでした。しかしノルウェー語等母国語でしか存在していなかったため、投資家にも存在を認知されていなかったのです。一方、調査を通じてESG要因を理解した未上場企業は、出資者である投資家の期待に応えようと取組の拡充をコミットしていました。」

https://comemo.io/entries/10721

イギリスの新しいコーポレートガバナンスコードの目玉商品は「労働者との対話」

ギリスの新しいコーポレートガバナンスコードです。多分、最も大きいな改革は、「労働者との対話」を原則にしていることです。いくつかの方法は許されています:

1) a director appointed from the workforce, or

2) a formal workforce advisory panel and a designated non-executive director, or

3) or other arrangements which meet the circumstances of the company and the workforce.

「なんでもあり」に感じるかもしれませんが、そのコンプライ方法を開示しなければならないこといなります。そうして、労働者にもちろん説明しなければならない。

COMEMO:「取締役要件にESGを掲げる企業(1): AES Corporation」

「同社は1981年創業の電力会社で、2018年の株主総会招集通知からスキルマトリックスを公表しています。2017年は電力業界経験、財務経験、国際市場経験、多国籍企業における経験を取締役要件とし、該当する取締役候補の人数のみを公表していました。2018年は先述の要件を含む13の要件を掲げ、その中の1つが「環境・サステナビリティ」です。」

https://comemo.io/entries/8762

COMEMO:「ESGを大学でもっと取り上げよう」

「千葉商科大学が給付型奨学金の安定的な原資形成等を目的として10億円をESG投資に充てると発表しました。もちろんそれ自体も素晴らしいことですが、学部横断的な特別講義「サステナブルな暮らしを考える」を展開しており、事業活動・財務活動の両面でESGの推進に努めています。以下の記事でも説明していますが、このような動きは社会全体で進めるべきで、大学がその重要な一翼を担うと考えています。」

https://comemo.io/entries/8496

ESGや企業との対話に関するファンドマネージャーの議論をとりまとめました

アクティブファンドの活動が活発になるなか、経済産業省が先日ESGや企業との対話に関するファンドマネージャーの議論をとりまとめたようです。「ガイダンス」という一見抽象的な概念の実務への落とし込みについての、詳細な意見交換がレポートとして作成されております。

http://www.meti.go.jp/press/2018/06/20180625001/20180625001.html