NHK:「相談役や顧問の業務内容は 東証で情報開示へ」

「企業の「相談役」や「顧問」について、政府は日本企業に特有の制度で経営への関与が不透明だという指摘を踏まえ、来年にも上場企業を対象に相談役らの業務内容などを開示させる、新たな制度を導入する方針を固めました。東京証券取引所が上場企業に提出を義務づけている企業統治に関する報告書の中に、相談役や顧問の業務内容や報酬、それに常勤・非常勤などの情報を記入する項目を新たに設けます。情報の開示は義務づけはしないものの、企業が「非開示」としたことがわかるような仕組みを検討します。…」

http://bit.ly/2rNzVGF

コーポレートガバナンス・コードを提唱した時から、開示を提案しているので、方向的に大賛成です。しかし、上記の記事に書かれているように「情報の開示は義務づけはしないものの、企業が「非開示」としたことがわかるような仕組みを検討します」にすれば、「開示」のインパクトは空洞化されてしまるおそれがあります。一番知りたい企業(つまり、相談役制度を廃止したくない企業)こそがどうなっているかわからないことになります。そもそも、事実上の役員報酬の続きですので、なぜ有価証券報告書で開示が義務づけられていないか、分かりづらいです。

国連の責任投資原則(PRI)、『日本のロードマップ』を公表

国連責任投資原則、UNEP FI およびGeneration Foundationは、4月27日、報告書『21世紀の受託者責任』のフォローアップとして、日本における受託者責任とESGプラクティスに関して報告書『Japan Roadmap』を公表しました。『Japan Roadmap』は政策および慣行について必要と思われる方向を示す内容になっています。最近BDTIとMETRICALが行った共同研究の結果もメンションされて、BDTIの代表理事ニコラス・ベネシュはこのように引用されています:「”Japan’s governance reforms will fail unless more asset owners join in, and all the talk about stewardship is accompanied by analysis, action and sweat,” said Nicholas Benes,representative director, The Board Director Training Institute of Japan. “The Japan Roadmap makes sensible recommendations to turn governance goals into realities.”」

日本への提言として以下の点が述べられています。

優れた企業業績と相関性が高いのは?(調査サマリー)

公益社団法人会社役員育成機構(以下、BDTI)と株式会社メトリカル(以下、メトリカル)は、このほど日本の好業績企業のパフォーマンスとガバナンスストラクチャー/プラクティス及び企業の実際の行動がどのように相関しているかに関する研究を行い、第一次分析結果をBDTI主催の3月16及びゴールドマン・サックス証券主催の4月4日のセミナーにて報告を行った。当共同研究はまだ途中経過ではあるが、今後の分析に繋がる興味深い有用な指針がもたらされた。

BDTIとメトリカルでは、コーポレートガバナンスは優れた戦略・最適な資本配分及びその他の価値を生み出すための企業行動がなければ、それが有効に機能していないのではないかと考える。したがって、分析においては取締役会の運営・基本方針などのボードプラクティスと主要なアクションと価値の創造のリンケージと相関を見出すことを主眼とした。

ISSの日本向け議決権行使助言基準で「相談役」制度を「原則として反対」

議決権行使助言会社ISSは2017年の(新しい)日本向け議決権行使助言基準を発表しました。その一部は、

「相談役27制度の新設 下記に該当する場合を除き、原則として反対を推奨する。 › 取締役の役職として提案される場合」

27 「相談役」に限らず、活動の実態が見えにくい名誉職的なポストが本ポリシーの対象である。例えば、顧問、名誉会長、ファ ウンダーなど。}

https://www.issgovernance.com/file/policy/2017-japan-voting-guidelines-japanese.pdf

クラスアクション ドイツの場合

BDTIのアドバイザーであるハラルド・バウム教授から、ドイツのクラスアクション法とも言える法律の解りやすい解説が以下に投稿されました。過日、日米のクラスアクション制度をテーマにセミナーが開催されましたが、バウム教授の寄稿によって3カ国の制度を比較することを可能になりました。ドイツの制度は、フォルクスワーゲン株を購入した世界中の投資家が、窒素酸化物排出データ捏造により損失を被ったとして次々と訴訟を起こし、2016年一躍有名になりました。その訴訟の複雑な多層構造は日本の消費者裁判手続特例法をしのぎ、モデルとなる事件を設定して、共通する争点について高裁が判断を下すという、とてもユニークなものです。

 ドイツにおける証券詐欺モデル事件法

 -US版クラスアクションに替わる新制度?-

    ハラルド・バウム *

I.   モデル事件法の概要
II. モデル事件法の基本的な手続
III. 短所
IV.  欧州的視点

2001年、ドイツテレコム投資家約2500人が弁護士約700人を使って会社を提訴した。ファンド運営の失敗で暴落した株価により損害を被った個人投資家が、虚偽記載の責任者を相手取ったこの事件は、裁判所の処理能力を明らかに超えていた。

これを受けて2005年、立法府は「証券詐欺モデル事件法」と呼ばれる特別法を制定した。最初は2012年までの時限立法とされ、その後の延長で2020年までの期限がついている。

セミナー「クラスアクション元年-企業の備え」レポート

2017年1月23日、クラスアクションに関するセミナーが開催されました。日本版クラスアクション法とも言うべき新しい訴訟手続法と、元祖クラスアクション、アメリカの制度とを比較し、両方のリスクにさらされる企業がとるべき備えを考えるという意欲的なテーマでした。消費者庁で立法に携わった弁護士、アメリカでカルテル後長年続く私訴に関わったローヤー、アメリカで巨額クラスアクションを経験した日系企業の法務部長という経験豊富な面々が集まり、仮想事例をもとに、具体的・実務的なディスカッションがなされました。また、証券訴訟に詳しいBDTIの代表理事からは、誰もが眉をひそめるクラスアクションの「良い面」も紹介され、参加者の驚きを誘っていました。日本の制度はアメリカのそれとはかなり異なります。しかし、企業がグローバル展開するとき、各国内のことだけを考えて事件処理はできません。この国でとった戦略があの国にどのようなインパクトをもたらすか、多角的に検討する必要があります。各企業でどのような備えを講じるべきか、示唆に富むセミナーでありました。

Cyber3 Conference Tokyo 2016 サマリー

日本経済新聞社主催、日本政府、世界経済フォーラム(WEF)、Cyber3 Committee等協力により、2016年11月18日(金)、19日(土)に開催されたCyber3 Conference Tokyo 2016のサマリーが公表されました。

同イベントでは、ビジネスや社会の在り方そのものを根底から揺るがすIoT・ビッグデータ・人工知能といったテクノロジーをビジネス面で実用化することが日本の成長にとって喫緊の課題である一方、改革を推し進めるためにはサイバーセキュリティ等の対策が不可欠となってきています。しかし、未だに日本企業では幹部がセキュリティ対策に積極的ではないことが大きなリスクとなりつつある現状に警鐘が鳴らされました。サマリー・ダウンロードはこちらから。

同カンファレンスでは、ニコラス・ベネシュBDTI代表理事が19日のセッションで講演してい

【実践 危機管理セミナーのご案内】- 情報サイト炎上など最近の事例をもとに考える企業の危機管理(1月20日)

企業によるネットを通じた情報発信が増加する中、サイト上の誤情報やビジネス倫理の問題から炎上し、マスメディアでの大きな報道につながるケースが増えています。炎上の原因としては、ビジネス倫理の問題や危機発生後の対応の問題などさまざまな側面があります。株式会社コスモ・ピーアールでは、ネットの炎上事件から考える企業の危機管理をテーマに、「実践 危機管理セミナー」を2016年1月30日(月)に催します。皆様の理解の助けとなるよう、問題・課題を整理し、対策を考えます。

多くの皆様のご参加を歓迎いたします。ご参加を予定される方は下記お申込用紙のご記入の上、2017123日(月)までにメールまたはFAXにて、ご返信下さいますようお願いいたします。

お申込用紙のダウンロードはこちらから↓

「日本経済 緩やかな回復と難問の持続」 ヒュー・パトリック著

「 日本経済は常に難しい問題を突きつける。例えば、失業率が極めて低いにもかかわらず、賃金の上昇率が低いのはなぜか?異例な金融緩和と低金利が継続されているにもかかわらず、消費者物価は上昇せずデフレ懸念が払拭されないのはなぜか?研究開発投資が比較的高水準で実行されているにもかかわらず、国内の投資機会が少ないように思われるのはなぜか?日本人は、どうしてリスク回避的なのか?他の先進国でも見られる現象だが、生産性上昇率が低下した理由は何か?これらの疑問に対して全面的に回答することはできないが、本稿ではその回答への手掛かりを述べてみたい。