2016.03.03 会社役員育成機構(BDTI)セミナー『競争法のグローバル・トレンドと今後の独占禁止法の動向』(同時通訳付き)

近年、独占禁止法分野では、執行力強化の観点から、課徴金制度の拡充、課徴金減免制度(リニエンシー制度)の導入、犯則調査権限の導入といった改正が行われてきました。

さらに、大筋合意に至ったTPP協定には、独禁法違反の疑いについて、競争当局と事業者とが合意して自主的に解決する制度(いわゆる確約手続等)を導入する規定が含まれ、これを受け公正取引委員会が検討を進めています。また、公正取引委員会は、裁量型課徴金制度を含めた課徴金の在り方についての検討に本年にも着手していきたいとしています。独禁法は、近い将来、また大きく変化していく様相です。また海外では、競争法執行の歴史が累積するにつれ、当局の考え方の変化や新たな議論が見られます。

日本で、世界で、競争法は、今後どのように変わっていき、企業にはどのような対応が必要となるのでしょうか。本セミナーでは、今後取り入れられるはずの確約手続等や、具体的な検討が始まろうとしている裁量型課徴金制度を予想し、先行している諸外国の法制度を紹介しながら、独禁法の動向について解説します。

最初に、2012年から2015年まで公正取引委員会事務総局の任期付職員であった北脇俊之氏が、近年改正の行われた部分を中心に独禁法の制度の概要を解説し、最近の注目すべき命令及び審決・判決、そして、2014年に内閣府で開催された「「独占禁止法審査手続についての懇談会」における弁護士依頼者秘匿特権や裁量型課徴金制度等に関する議論とその背景について紹介します。

次に、丹羽正爾氏が、米国の反トラスト法におけるカルテル規制の概要を説明し、ディスカバリー(証拠開示)や司法妨害等の米国特有の注意点や、米国法が米国外に所在する日本企業にも適用されることとなる域外適用の問題について、自動車部品カルテル、イアン・ノリス(身柄引渡し)、モトローラ民事訴訟等、実際に問題となった事例を紹介して解説します。

さらにホワイト&ケースのブリュッセルオフィスから、アクセル・シュルツ氏がビデオ中継で参加し、EU競争法の概要に加え、親会社による子会社の違反行為に対する責任や情報交換など、EU競争法特有の問題を紹介します。

続いて、大軒敬子氏が、国際的なカルテルや企業結合案件において、日本企業の立場から気を付けるべき点などを紹介いたします。

そして、パネル・ディスカッションでは、パネリストとしてBDTI代表理事であるニコラス・ベネシュも加え、司会の市川佐知子とともに、競争法違反という大きな企業不祥事の防止、有事対応についての議論を深めます。

競争法関連の有事対応では、各国の法制の特徴、制裁の違いを踏まえた臨機応変な対応が必要となりますが、それを実現するためには平時からの体制整備が鍵になります。本セミナーは、これから体制を整備しようとする企業に、いち早く最新情報を届けるものです。

【開催日時】  2016年3月3日(木曜日)15:00-18:00(開場14:30)

【開催場所】  ホワイト&ケース法律事務所/外国法事務弁護士事務所(外国法共同事業)

(千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館26階)
http://bit.ly/1VanFJf

【参加費】   5,000 円 (税込)(一般、非会員)/ 3,000 円 (税込)(賛助会員)

【定員】    50名

◆ お申し込みは以下のボタンをクリックしてください。

【講師・パネリスト紹介】

講師: 北脇 俊之 氏
田辺総合法律事務所 アソシエイト弁護士

東京大学法学部卒、2004年司法試験合格。2006年10月に弁護士登録し、田辺総合法律事務所に入所、現在に至る。2012年4月から2015年3月まで、公正取引委員会事務総局の任期付き職員となり、官房審決訟務室長補佐としてカルテル、談合、私的独占等に関する複数の審決取消訴訟を担当したほか、域外適用問題に係る議論にも参加した。

講師:  丹羽 正爾 氏
ホワイト&ケース法律事務所/ホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所(外国法共同事業)アソシエイト 外国法事務弁護士(ニューヨーク州弁護士)

米国の反トラスト法に関して日常業務上の助言を行うほか、複雑なコマーシャル・リティゲーションや反トラスト法の訴訟案件等に対応。刑事及び民事にかかる反トラスト法案件や国際的なカルテル案件、事業者団体に対する助言も行う。東京オフィスの競争法プラクティスグループの一員として、公正取引委員会による審査の対象となっている不公正な取引方法やカルテル案件に対応。在日米国商工会議所の競争政策タスクフォース副委員長、対外関係諮問評議会メンバー。米コロンビア大学より法学博士修得。

講師: アクセル・シュルツ 氏

ホワイト&ケースLLP、ブリュッセルオフィス パートナー(ブリュッセル弁護士会及びミュンヘン弁護士会登録)

欧州連合及びドイツの競争法関連案件について、幅広く助言を提供。欧州連合法やドイツ法に基づく企業結合の規制に関する案件では、共同の支配的地位、対抗的購買力について取り扱ったほか、紙パルプ、アルミニウム、発電・配電、製薬といった業界の構造的連携問題にも対応。また、欧州裁判所が管轄する主要な競争法案件を手掛けた経験も有している。リヨン大学卒業後、コンスタンツ大学法学士を取得後、欧州大学院大学ブルッヘ校より欧州法の法学修士を修得。

講師: 大軒 敬子 氏
ホワイト&ケース法律事務所/ホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所(外国法共同事業)アソシエイト 弁護士

主に独占禁止法に関する案件(公正取引委員会による審査および審判対応に絡む相談など)を担当。企業結合規制や国際カルテル、多国籍企業および事業体に対する独占禁止法上の相談やコンプライアンスに関する助言も行う。優越的地位の濫用に関する公正取引委員会の審査及び審判において、外資系企業を代理した経験も有している。上智大学法学部卒。

パネリスト: 洞雞 敏夫 氏
ホワイト&ケース法律事務所/ホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所(外国法共同事業)パートナー 弁護士

8年間の裁判官としての経験を経て、1994年から弁護士として法律実務に携っており、競争法、金融取引、M&A、企業法務一般に幅広い経験を積んでいる。競争法の分野では、日本におけるカルテル事案や不公正な取引方法に関する事案(優越的地位の濫用、再販売価格維持等)に加え複数法域にまたがるカルテル事案等についても、クライアントを代理している。東京大学法学部卒業。ミシガンロースクールにおいて国際経済法修士取得。

パネリスト: ニコラス・ベネシュ
BDTI代表理事

米国スタンフォード大学政治学学士号取得後、米国カリフォルニア大学(UCLA)で法律博士号・経営学修士号を取得。旧J.P.モルガンにて11年間勤務。米国カリフォルニア州及びニューヨーク州における弁護士資格、ロンドンと東京で証券外務員資格取得。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)の理事兼成長戦略タスクフォース座長を務める。2010年より、法務省と法制審議会会社法部会に対し会社法改正に対して意見を提供している金融庁主催コーポレートガバナンス連絡会議に所属する。これまでに、在日米国商工会議所理事、同対日直接投資タスクフォース座長、内閣府対日直接投資会 議専門部会の外国人特別委員、株式会社アルプスの取締役、スキャンダル後の株式会社LDH(旧名ライブドア)、株式会社セシールの社外取締役を歴任した。その他、JTP代表取締役として数多くのM&Aアドバイザリーを務めた経験を有する。2013年より、日本の成長戦略の一環として金融庁主導のコーポレートガバナンス・コードの策定構想を提案し助言を行う。

司会: 市川 佐知子
BDTI理事、田辺総合法律事務所パートナー弁護士

東京大学法学部を卒業後、第一勧業銀行(当時)に入行。弁護士登録後、田辺総合法律事務所において勤務弁護士として稼動し、企業側労働法を専門分野とする。米国ジョージタウン大学法科大学院で履修後LLMを取得、その後ニューヨーク州弁護士資格を取得する。同事務所に戻り、複数の有価証券報告書虚偽記載損害賠償事件の被告側代理人を務め、不十分な内部統制が企業に与える甚大な影響と、事件発覚後に必要な取締役会のリーダーシップについて知見を有する。現在、アンリツ株式会社独立社外取締役を務める。

挨拶: アーサー M. ミッチェル 氏
ホワイト&ケース法律事務所/ホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所(外国法共同事業)シニア カウンセラー 外国法事務弁護士(ニューヨーク州弁護士)

40年を超える実務経験を有する米国ニューヨーク州弁護士。アジア地域における投資や資金調達取引等、アジア地域において豊富な経験を有している。2007年9月にホワイト&ケース入所。2003年からホワイト&ケースに入所するまでは、アジア開発銀行 (ADB) のジェネラルカウンセルを務めた。ADBでは、公・民セクター借款、株式投資、政治的リスクの保証、債券融資に関し、様々な観点から法的助言を行った。18カ国42名の法律家で構成される部門を統括し、ADBの政策方針や法令順守を監督するとともに、理事会や総裁にコーポレート・ガバナンスを助言し、銀行の経営管理に関する事項や訴訟についても助言。株式会社三井住友フィナンシャルグループ 取締役。

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