パナマ文書と文書化義務

パナマ文書により、国際税務に関する関心が再度高まっています。

OECDでは、BEPS*対策として、行動計画を取りまとめています。そのうちの行動13は「多国籍企業情報の文書化」です。

*BEPS: Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転:多国籍企業が国際的な税制の隙間を利用して租税回避する問題

これを受けて、日本の平成28年度税制改正は、租税特別措置法の一部を改正し、移転価格税制に係る文書化を一定の多国籍企業グループに義務付けました。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/h28iten-kakaku.pdf

該当する企業は、マスターファイル、ローカルファイル、国別報告書などの文書が、適切に作成・提出・保管される体制を構築する必要があります。会社法もまた、企業集団の業務の適正が確保される体制を求めており、海外子会社も含めて整合的に移転価格を取り扱うことがさらに重要になるでしょう。また、税務当局による移転価格調査も容易・広範になり、課税額に関する争訟が将来増えることも考えられるところです。

以下では、田辺総合法律事務所が過去に取り扱った、移転価格税制に関する事例をご紹介します。

パナマ文書とインテグリティ

租税回避地パナマにある法律事務所から、膨大な金融取引文書(パナマ文書)が流出し、アイスランドの首相が辞任するなど、世界の耳目を集めています。パナマ文書には、ロシアプーチン大統領、英国キャメロン首相の実父、日本でも麻生外相が税務調査を行うと発言したと報道されています。

パナマ文書は容量にして2.6TB、1150万件ものデジタルデータの集合体です。様々な形式のデータが含まれており、480万件のE-mail、215万件のPDFファイル(契約書などと推測されます)、305万件のデータベースファイル等です。

役員 新任役員 役員研修

経済産業省:「持続的な価値創造に向けた投資のあり方検討会(第3回)‐議事要旨」

「対話力の高い米国ファンドマネジャーやバイサイドアナリストとも、日本企業は対話をしなければならないわけであるから、米国と日本のアナリストの分析力の差は深刻な問題となるかもしれない。日本の投資家もそれを認識しなければならな […]

セミナー報告:「対話」の時代、株主総会とIRはどう変わるか? ~国際的な視点から~

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BDTIは、4月4日、ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションのクリス・ニクソン氏をお招きしてこれからの株主総会とIRについて考えるセミナーを開催しました。ニクソン氏の基調講演では、名義株主と実質株主、招集通知公開のタイミング、議決権行使の流れ等に関する現状の分析に続き、2026年の株主総会で想定される状況等について詳しくお話しいただきました。

BDTIについて

役員研修の経験と実績が豊富な会社役員育成機構(BDTI)は、日本企業のガバナンスの改善、コンプライアンス体制の強化、実行性のあるコーポレートガバナンス・コードの普及拡大を目指しています。現役・新任取締役、執行役員、部長クラスに「役員力」の基礎知識、役員としての視点と新たな気づき、世界のベスト・プラクティスを提供します。

提案者の視点: ガバナンス・コードの生まれ方、残っている課題 (ベネシュ)(アップデート)

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私は2013年10月に金融庁主導のコーポレートガバナンス・コード(以下、「コード」という)策定を自民党の議員らに提案した。2014年2月には日本経済再生本部と自民党の金融調査会に対して、コーポレートガバナンス・コードの発想、スチュワードシップコードと「車の両輪」の関係にあることなどを説明した。

言い出しっぺとして、私は早い段階で色々なアイデアを議員らおよび金融庁に勝手に提案できる(する)立場になった。コードの内容について金融庁の油布志行氏に提出したメモの内容、「日本版コーポレートガバナンス・コードに含めるべき重要事項」はこちらにあります。もともと英語で書かれたバージョンはこちらにあります。(尚、このメモはあくまでも私個人として準備して提出した。)

法務省:「株主提案権の在り方に関する会社法上の論点の調査研究業務報告書の公表について」

「 日本における株主提案権の在り方について,複数国での比較法的視点に基づく基礎資料を収集することを目的として,当省が委託しておりました株主提案権の在り方に関する会社法上の論点の調査研究業務報告書を公表いたします。 」 H […]

【意見募集】 監査等委員会設置会社」について、どう思う?どのような「任意の仕組み」があれば、いいガバナンスななるか?

「監査等委員会設置会社」に移行した会社は既に、450社超に上ります。この新しい機関設計について、どう思われますか?その長所、短所、また、どのような実施体制および任意の仕組みがあれば実効性が高いガバナンスになるか、ご意見を […]

RMBキャピタル、株式会社オプトホールディングの監査等委員会設置会社への移行に反対を表明

米国の機関投資家が投資先企業のオプトホールディングの監査等委員会設置会社への移行に反対し、他の投資家に同調を促すリリースを発表しました。投資先企業のコーポレート・ガバナンスを注視する投資家の視点が行動として表面化した事例として今後の展開が注目されると共に、リリースは投資家の考え方の一例として参考になります。

企業における女性登用-法的責任、コーポレートガバナンス、ESG投資の観点から-

このようなタイトルで、Business Law Journal 2016年5月号に寄稿しました。以下はその冒頭部分です。

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)が、2015年8月に成立し、2016年4月から施行される。これにより、従業員301名以上の企業は、女性登用に関する数値目標を含む行動計画を立て、届出、周知、公表することが義務付けられた。各社は急ぎ計画を立て、届出等の対応を済ませたところではないだろうか。一息ついたところで、本稿では、以下の点について整理してみたい。

アメリカ連邦量刑ガイドラインから学ぶ内部統制

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アメリカに連邦量刑ガイドラインというものがあります。犯罪の量刑基準を定めたガイドラインですが、8章は企業に対する罰金の考え方を定めています。その中で犯罪を防止・探知するための有効な措置を講じていた企業は、情状酌量されて、罰金が下がるという考え方が示されています。有効な措置とは何か、条件も定められており、内部統制システムを考えるときの参考になります。ここでは、その条件が記載された部分とそのコメンタリー(解説)をご紹介します。