「アセットオーナープリンシプル」をきっかけに、本格的な企業年金改革を

応援しますが、「アセットオーナープリンシプル」は弱いので少しがっかりしています。「SCの受け入れ表明をしてください」というお願い一つは主な趣旨です。しかし、その要求でさえ、弱いです: 「スチュワードシップ責任を果たすに当たっては、自らの規模や能力等を踏まえつつ、日本版スチュワードシップ・コードの受入れ表明をした上でその趣旨に則った対応を行うことを検討すべきである。」少なくとも年金の場合、より強い文言がほしかったです。(私が2016年から提案しているように。以下、ご参照ください。)

ましてや、プリンシプルには拘束性がないのに、SCをなどを受け入れをする必要がないのに、アセットオーナーはファンド・マネジャーの適切な議決権行使を監視することが、受託者責任に含まれる責務の一つであることについては言及も明確化もされていない。つまり、米国のERISAにおける「エイボン・レター・ルール(1988年)」は、まだ日本には上陸していないのである。

アセットオーナープリンシプルは適切な議決権行使活動に責任の一つとして触れず、同活動は受託者責任・義務の対象である、と言及・明確していません。言い換えれば、米国のERISAに基づく「のAvon Letter rule (1988) はいまだに日本に上陸していません。

プリンシプルに加えて、8年前に私が提案したように、企業年金法とその通達を少しだけ変更すればよかったです。

私の2016年の提案:
https://blog.bdti.or.jp/2016/08/20/pengovrprop/
法律・通達に書いてあることは、ずっと大きいインパクトをもたらします。そして、年金受給者が年金受託者(理事)に不手際・不正があった場合、会社(訴訟を拒否できる立場)に代わって理事を直接訴えるをことができるようになるのは、企業年金法の法改でしか出来ません。

また、私の提案と違って、プリンシプルは年金が加入者に対してSCの受け入れ表明ををしたのかどうかを伝えるべきであることを明確にしていません。加入者の立場に立ってみれば、知りたくありませんか?日本企業は「従業員を大事にする」は本当なら、そのぐらいの通知は当たり前であると思います。

プリンシプルには意義・前進がないともちろん言いませんが、あきらかに法律改正を避けながら「何かの方針を作った」というのが目的でした。プリンシプルの存在は後で「法律・通達の改正をしなくてもいい」という言い訳にならないといいです。

「アセットオーナープリンシプル」の公表
https://www.fsa.go.jp/policy/pjlamc/asset_owner/aop.html

(ニコラス・ベネシュの投稿です。個人としての意見です。)

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