2014.03.06 会社役員育成機構(BDTI) 一橋ICS共催 英語によるセミナー(無料、同時通訳付き)『監査役会の役割と監査委員会との比較』

1990年代以降諸外国のほとんどが「監査委員会」制度をコーポレート・ガバナンス体制における財務やリスクに対する監視の枠組みとして採用する流れが続いている中、日本は、監査機能及び取締役による善管注意義務の適切な行使を確認するために特異な枠組みを採用し、「監査役会」を設置しています。日本の上場企業の約98%がこれを採用し、コーポレート・ガバナンスと監査体制の主流となっています。

長年、日本におけるコーポレート・ガバナンスに関する議論は、日本の監査役制度と国外の「監査委員会」制度が重要な点で相違するにもかかわらず、海外投資家のみならず多くの日本人にとっても監査役制度が十分に理解されているわけではないという事実から、非常に複雑なものとなってきました。同時に、欧米、アジアの先進国で運営されている「監査委員会」と、日本の監査役会あるいは三委員会設置会社における監査委員会との違いを明確に把握している日本人は少ないのが現状です。

そこで、アジア・コーポ―レート・ガバナンス協会(ACGA) (www.acga-asia.org/)は、昨年、このように混乱した議論を整理するために、これらの監査制度を詳細に比較し、各制度の法的役割と期待される「ベスト・プラクティス」のみならず、それらの実際の機能、長所短所、施行上の課題について比較する報告書を発表しました。我々が把握している限りでは、こうした詳細な比較が実務家の視点で、日本語に加え英語でも公表されたのは初めてのことです。日英のレポートは下記のURLからダウンロードできます。

ACGA報告書: 「監査委員会」との比較における監査役会の役割と機能
http://bit.ly/1kQSgcG  (日本語) / http://bit.ly/1lRsHHw (英語)

今回のセミナーは、ACGA事務局長のジェミー・アレン氏をお招きして、報告書のポイントと、これから導き出されたACGAの見解についてお話いただきます。続いて、長島・大野・常松法律事務所顧問で一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授を勤めるブルース アロンソン氏に、日本監査役協会が実施した「第77回監査役全国会議に係る事前アンケート」の結果を日本企業の監査役の役割と実務の観点から要約いただきます。

その後、パネル・ディスカッションで社外取締役/監査役を歴任されておられる日本CFO協会理事長で元伊藤忠商事取締役副会長の藤田純孝氏、ソフトバンク株式会社の社外監査役を務められる長島・大野・常松法律事務所パートナー宇野総一郎氏、BDTI代表理事ニコラス・ベネシュが加わり、コーポレート・ガバナンスの向上を図るために必要な監査制度について様々な視点から率直な意見交換をします。

本セミナーは、監査等委員会設置会社が会社法改正で議論される中、改めて日本の監査制度を国際的な視点から整理していただく機会となります。監査ご担当者の方はもちろん、自社のコーポレート・ガバナンスのあり方を検討されるべき取締役会のメンバー・担当者の方々にこそ、ご参加頂きたいセミナーです。

尚、BDTIと一橋ICSは、同時通訳費をご負担下さったACGAに感謝の意を表します。

【開催日時】  2014年3月6日(水)15:00 – 17:30 (開場 14:30)

【開催場所】  長島・大野・常松法律事務所
(東京都千代田区紀尾井町3-12 紀尾井町ビル3階)
http://www.noandt.com/summary/location.html#01

【参加費】   無料

【定員】    100名

◆ お申し込みは以下のボタンをクリックしてください。

(事前告知:変更の可能性あり)

【講師紹介】

基調講演: ジェミー・アレン 氏
ACGA事務局長

オーストラリア国立大学卒業。1980年から香港駐在ジャーナリストとして活躍し、1999年ACGAを創設し現在に至る。2001-2007年、Hong Kong Securities and Futures Commissionの委員会Public Shareholders Groupのメンバーを務め、香港における株主の権利、コーポレート・ガバナンス等についてアドバイスを提供。2006-2010年、香港証券取引所の上場委員会で上場規則の見直し等を行う。2013年、香港のFinancial Reporting Council (FRC)からFinancial Reporting Review Panelメンバーに就任。同10月よりFRCのOperations Oversight Committee委員にも就任。

パネリスト: 藤田 純孝 氏
日本CFO協会理事長、元伊藤忠商事(株)取締役副会長、元日本興亜損害保険(株)監査役
社外取締役(現任) : 古河電気工業(株)、日本板硝子(株)(監査委員会委員長)、オリンパス(株)

1965年3月神戸大学経済学部卒業、同年4月伊藤忠商事株式会社入社、1991年10月同社伊藤忠アメリカ会社 企画統轄室長(ニューヨーク駐在)、1994年10月同社業務部長、1995年6月同社取締役業務部長、1997年4月同社常務取締役経営企画担当役員補佐、1998年7月同社常務取締役財務・経理担当役員、1999年4月同社専務取締役CFO、2001年4月同社取締役副社長CFO(兼)経営企画・財務・経理・審査担当役員、2003年4月同社取締役副社長職能管掌(兼)CFO(兼)チーフコンプライアンスオフィサー、2006年4月同社取締役副会長、08年6月同社相談役、11年7月同社理事(現任)。07年6月(株)オリエントコーポレーション社外取締役、08年6月日本興亜損害保険(株)社外監査役、古河電気工業(株)社外取締役(現任), 09年6月日本板硝子(株)社外取締役(現任)、10年4月NKSJホールディングス社外取締役、11年6月日本CFO協会理事長(現任), 12年4月オリンパス(株)社外取締役(現任)。

パネリスト: 宇野 総一郎 氏
長島・大野・常松法律事務所パートナー/ソフトバンク株式会社 社外監査役

1986年一橋大学卒業。1988年長島・大野・常松法律事務所入所。1997年同パートナー就任。この間、1993年ハーバード大学ロースクール卒業、同ニューヨーク州弁護士資格取得、1993-1994年ロサンゼルスのGibson, Dunn & Crutcher LLPにて派遣勤務し、現在に至る。M&A、ガバナンス/コンプライアンス、国際取引など国内外の企業法務を担当。

パネリスト:ニコラス・ベネシュ
BDTI代表理事

米国スタンフォード大学政治学学士号取得後、米国カリフォルニア大学(UCLA)で法律博士号・経営学修士号を取得。旧J.P.モルガンにて11年間勤務。米国カリフォルニア州及びニューヨーク州における弁護士資格、ロンドンと東京で証券外務員資格取得。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)の理事兼成長戦略タスクフォース座長を務める。2010年より、法務省と法制審議会会社法部会に対し会社法改正に対して意見を提供している金融庁主催コーポレート・ガバナンス連絡会議に所属する。これまでに、在日米国商工会議所理事、同対日直接投資タスクフォース座長、内閣府対日直接投資会 議専門部会の外国人特別委員、株式会社アルプスの取締役、スキャンダル後の株式会社LDH(旧名ライブドア)、株式会社セシールの社外取締役を歴任した。

コメンテーター&司会: ブルース アロンソン氏
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授/長島・大野・常松法律事務所顧問

ボストン大学卒業及び1977年ハーバード大学ロースクール修了。ニューヨーク法律事務所ヒューズ・ハバード&リードLLPのパートナー(1989~2000)を経て学者に転身。クレイトン大学ロースクールの教授 (2004~2013年)。日本においては、早稲田大学及び同志社大学に留学、長島・大野・常松法律事務所での勤務、東京大学のフルブライト研究員、客員助教授、日本銀行研究員、早稲田大学のフルブライト研究員などを経験。専門は、コーポレート・ガバナンスと法曹の比較研究。

 

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