6/6(木)、公益社団法人 会社役員育成機構(BDTI)無料セミナー
(レクシスネクシス・ジャパン株式会社 / 宝印刷株式会社 総合ディスクロージャー研究所 /
ブルームバーグL.P. 協賛)
『企業年金のガバナンス強化に向けて ~ 母体の企業財務の関与と、従業員への説明責任の強化 ~』
わが国の企業年金制度のうち、確定給付型年金の場合、運用リスクは企業が取ることになるので、現状の超低金利の経済環境下では運用難の問題を抱えており、多くの年金が積立不足に陥っています。特に、厚生年金基金ではAIJ問題を契機としてガバナンスの問題が指摘されたことから、運用関係者のガイドラインの見直しによる管理体制の強化が行われるとともに、厳しい財政基準が設けられ、その基準を満たさない基金に対して解散命令を発動できるなどの法律改正案が先ごろ(4月12日)閣議決定されました。
確定給付企業年金についても、企業会計基準委員会が、2013年4月1日から開始する事業年度の年度末財務諸表から、積立金不足を即時認識してB/Sに計上することを会計基準として決定したことで、企業の自己資本比率に影響を及ぼすこととなりました。これは、企業にとっての年金資産運用が、少なくとも会計上は、本業とは直接関係のない金融子会社を抱えているのと同じことを意味します。企業が、運用上のリスク管理を適切に実現することが、基金型の場合には基金に実現してもらうことが喫緊の課題です。ところが、今まで多くの企業年金では資産運用のエクスパティーズ(運用に関する知識やノウハウ)を持った人材がおらず、その結果、委託運用機関に依存することになり、運用のリスク管理とともに、ガバナンスの改善が急務になっています。
一方、年金資産は従業員から運用を委託されたものであり、受給権保護のために年金制度が拡充されてきたことから、企業は資産運用について積極的に関与することを躊躇してきました。しかし、以上のことから、企業年金のガバナンスは、企業の財務部門が中心になって資産運用のエクスパティーズのある人材を配置し、企業財務部門との連携において適切に運用リスクを管理する必要があります。また、委託者である従業員への情報開示を積極的に行い、委託者の意向を反映できるような体制や、委託運用機関との協力関係の再構築が欠かせません。
本セミナーでは、企業年金の抱える問題点分析、ガバナンスに必要な体制作り、企業の年金資産運用への関与と受給権保護に関する法的解釈等を取り上げます。今年の株主総会では企業年金の積立不足が企業に及ぼす影響や、年金ガバナンスの対策について議題に上る可能性もあり、年金ファンドを所掌する財務部門や人事部門の担当者、年金規約改正等を担当する法務部門の担当者の方々に、実務上役立つ情報をお届けするだけではなく、ガバナンス推進の観点からは取締役会のメンバー・担当者の方々にこそ、ご参加頂きたいセミナーです。
【開催日時】 2013年6月6日(木)15:30 – 18:00 (開場 15:00)
【開催場所】 ブルームバーグ セミナールーム
(東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル21F)
【参加費】 無料
【定員】 100名
◆お申し込みは以下のURLをクリック、参加申込書をダウンロードし、ご記載の上、ファックス(FAX:03-6432-2338)、または電子メール(info@bdti.or.jp)に添付してご送付ください。
【講師紹介】
基調講演:宮井博
日興フィナンシャル・インテリジェンス専務取締役。
日本証券アナリスト協会理事、同「企業価値分析におけるESG要因研究会」座長、中央大学大学院国際会計研究科客員教授を務めるほか、全国市町村職員共済組合連合会や国民年金基金連合会の資産運用委員会委員など多数兼務。主要な研究テーマは、ESG要因のような非財務データを含む年金資産運用のリスク管理。
パネリスト:市川佐知子
田辺総合法律事務所のパートナー弁護士であり、BDTIの監事を務める。コーポレート・ガバナンス、労働法の分野に幅広い経験を有し、有価証券報告書虚偽記載、デリバティブ商品取引、企業年金プラン変更に伴う紛争案件を手掛ける。
司会:ニコラス・E・ベネシュ
BDTI代表理事。米国スタンフォード大学政治学学士号取得後、米国カリフォルニア大学(UCLA)で法律博士号・経営学修士号を取得。旧J.P.モルガンにて11年間勤務。米国カリフォルニア州及びニューヨーク州における弁護士資格、ロンドンと東京で証券外務員資格取得。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)の理事兼成長戦略タスクフォース座長を務める。2010年より、法務省と法制審議会会社法部会に対し会社法改正に対して意見を提供している金融庁主催コーポレート・ガバナンス連絡会議に所属する。これまでに、在日米国商工会議所理事、同対日直接投資タスクフォース座長、内閣府対日直接投資会 議専門部会の外国人特別委員、株式会社アルプスの取締役、スキャンダル後の株式会社LDH(旧名ライブドア)、株式会社セシールの社外取締役を歴任した。