2019.10.17 会社役員育成機構(BDTI)セミナー『経産省の新たな二つの指針に基づき グループ・ガバナンスと公正なM&Aの在り方について考える 』

6月28日、経産省から新たに「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」(グループガイドライン)と「公正なM&Aの在り方に関する指針~企業価値の向上と株主利益の確保に向けて~」の二つの指針が策定・公表されました。

そこで本セミナーでは、これら二つの指針の策定に関わられた経産省経済産業政策局産業組織課長の坂本里和氏をお迎えして、いま日本企業が共有すべきグループ経営における実効的なガバナンスの在り方について、特に親子上場の問題に関する課題と対応(上場子会社におけるガバナンスの在り方等)を中心に紹介するとともに、併せて、親会社による上場子会社の買収(完全子会社化)における公正な手続き(公正性担保措置)の在り方についても解説いただきます。さらに、上記「公正なM&Aの在り方に関する指針」の策定過程で比較法制度調査を実施したホワイト&ケース法律事務所パートナー弁護士の宇佐神順氏に、国際的な視点から株主エンゲージメントの世界的な潮流の中での日本企業におけるガバナンス・M&Aの課題についてお伺いします。

2019.01.29 会社役員育成機構(BDTI)同時通訳付セミナー『ACGA代表ジェミー・アレン講演:新たなステージに入った 日本のガバナンス政策と求められる企業の対応』

アジア・コーポレート・ガバナンス協会(ACGA)は、2018年12月初めに隔年で公表しているアジア地域のCGレポート『CG Watch』の最新版をCLSAの協力により出版しました。『Hard Decisions: Asia faces tough choices in CG reform Hard Decisions: Asia faces tough choices in CG reform(難しい決断:アジアが直面するCG改革の選択)』と題する本調査レポートでは、アジア太平洋地域の12の主要市場をカバーしています。日本は、前回の4位から7位と順位を落としました。

そこで、本セミナーでは、ACGA事務局長のジェミー・アレン氏をお迎えして、調査結果を導くに至ったプロセスと共に、今回の調査で日本が7位となった背景について、日本のコーポレート・ガバナンスは多くの改善点がみられ、必ずしも「後退」を意味しているわけではないものの、(CGコードやスチュワードシップ・コードなど)プリンシプル・ベースの「ソフトロー」ではなく、(例えば、買収ルール、第三者割当、共同エンゲージメント・ルールに関する)「ハードロー」つまり法制度面の規制改革の必要性が高まっている点について詳細に説明していただきます。さらに、企業、投資家、その他のステークホルダーが文化や慣習を今後どのように改善していくのか、ACGAの視点からその方法論を示唆すると共に、タイムリーな話題である少数株主保護といった課題にも触れていただきます。

続くパネルディスカッションでは、経済産業省産業組織課長の坂本里和氏、ユーソニアン・インベストメンツLLCのリサーチ・アナリスト菊地史絵氏、企業年金連合会 年金運用部コーポレートガバナンス担当部長/ヘッジファンド投資担当部長でBDTI理事の北後 健一郎、BDTI代表理事のニコラス・ベネシュも加わり、アレン氏あるいはACGAが提起した問題点について、様々な視点で意見交換していきたいと思います。

CFOを始めとする財務担当者、IR担当者のみならず、取締役会メンバーやこれを支える方、コーポレート・ガバナンスにご関心のある方、投資家サイドのアナリストの皆様にも広く積極的にご参加いただきたいセミナーです。

ACGAは、1999年に香港で創設された会員制の独立系非営利団体で、アジアのコーポレート・ガバナンスの向上を目指し、調査・研究・啓蒙活動をしています。その会員には世界的機関投資家、上場企業、保険会社、金融機関、学術団体、教育機関を含め110以上の優良企業、組織が含まれます。AGCAの会員が世界で運用する純資産残高は30兆ドル超に上ります。https://www.acga-asia.org/

2018.07.30 会社役員育成機構(BDTI)セミナー『中期経営計画と取締役会の役割・評価 ~日本企業の中期経営計画はガラパゴス化している?~』

今や日本では策定・公開することが上場企業として当然のことと思われ、また投資家の関心も高い中期経営計画ですが、実は欧米企業のものとは大きく性格が異なることは意外に知られていません。一方で発表された中期経営計画の中で掲げられた数値目標の多くが、結果的に未達に終わっているという指摘がでてきています。

コーポレートガバナンス・コードで【『取締役会・経営陣幹部は、中期経営計画も株主に対するコミットメントの一つであるとの認識に立ち、その実現に向けて最善の努力を行うべきである。仮に、中期経営計画が目標未達に終わった場合には、その原因や自社が行った対応の内容を十分に分析し、株主に説明を行うとともに、その分析を次期以降の計画に反映させるべきである。』(基本原則4】補充原則4-1②)とされる中期経営計画の現状と実態に迫る実証分析結果が一橋大学大学院でディスクロージャー、IR、コーポレート・ガバナンス研究を専門とされる円谷昭一准教授の研究グループ(一橋コーポレート・ガバナンス研究会)から発表されました。

そこで本セミナーでは、円谷昭一准教授をお迎えして、中期経営計画の位置づけ、海外企業との比較、経営目標と達成率、これに基づく取締役のパフォーマンス評価、株式持ち合いと業績の関係やコーポレート・ガバナンスへの影響等についての研究結果をご報告いただくと共に、パネルディスカッションでは、首都大学東京社会科学研究科(大学院)教授の松田千恵子氏に加え、日本マクドナルドホールディングス株式会社社外取締役で当機構理事の上田昌孝、司会の当機構代表理事ニコラス・ベネシュも交え、コーポレート・ガバナンスの視点から日本の中期経営計画の現状と今後について改めて考えたいと思います。

取締役会メンバーのみならず、自社の中期経営計画策定に係る方、投資家サイドのアナリストの皆様にも広く積極的にご参加いただきたいセミナーです。

2018.03.20 会社役員育成機構(BDTI)セミナー『企業不祥事から学ぶガバナンス強化策』


コーポレートガバナンス・コード施行から3年目を迎え、いわゆる攻めのガバナンスとしての企業統治改革が進められつつある中、守りのガバナンスという側面では、大手メーカーによる製品データ改ざんなど、企業不祥事が依然として後を絶ちません。

企業価値を増大させながらビジネス(利益)もコンプライアンス(倫理)も同時に追求するというコンプライアンス経営が求められる中、企業価値の向上と毀損防止に向けて企業は何をすべきか、その答えは一体どこにあるのでしょうか。

本セミナーでは、企業法務を研究するGBL研究所の理事で、2014年1月~2017年12月に上場企業により公開された調査報告書を基にこれまでに145件の企業不祥事を分析した渡辺樹一氏をお迎えします。

2016.05.16 会社役員育成機構(BDTI)セミナー『昨今の会計不正から考える、 役員と会計監査人のあるべきコミュニケーションとは?』

昨今、上場会社での会計不正が大きく報じられています。遡れば、リソー教育、沖電気、オリンパス、大王製紙、ライブドア、アーバンコーポレーショ ン、西武鉄道、カネボウ、山一證券等の事件があり、その度に打開策が必要と叫ばれながら、同じ過ちが繰り返されています。これを正すためには、誰が何をす べきなのでしょうか。

有価証券報告書に虚偽記載があると、取締役、会計参与、監査役もしくは執行役又はこれに準じる者、監査証明を行った監査法人の責任問題が生じます。 有価証券報告書は財務・会計情報が多く、相応の専門知識がないと、記載内容を理解できません。安易に役員等の責任を問うのは、酷にすぎるという意見があり ます。また、財務諸表の作成責任は一義的には会社側にあることを理由に、監査法人の虚偽記載の責任を問うことはできない、という論評もあります。確かに、 虚偽記載を見抜けなかったからといって、結果責任を問うようなことをすべきではありません。しかし、会計不正を防ぐために、役員等や、監査法人が注意する 努力を怠るべきではありませんし、怠った場合には、責任追及がなされてしかるべきです。