ディスカッション・フォーラム

第3回「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」

3月22日、金融庁の第3回「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」が開催され、日本版スチュワード シップ・コ―ドの改定案が公表されました。

機関投資家に資産運用を委託する年金基金等のアセットオーナーの委託者責任を明示し、機関投資家には議決権行使内容の個別開示を求める内容になっています。

生命保険協会:「株式価値向上に向けた取り組みについて」調査結果

生命保険協会は3月21日、企業の株式価値向上に向けたアンケート調査結果を公表しました。上場企業572社、機関投資家93社が回答しました。

「当協会では、企業と株主が建設的な対話を行い、双方の課題意識を共有化することが、中長期的な株式価値向上に向けた企業の取り組みを促すものと考えております。当調査結果を踏まえ、今年度は、コーポレート・ガバナンス、持続的成長に向けた経営戦略、対話の3つの観点から、企業に対し以下の11項目、投資家に対し以下の3項目を要望いたします。当報告書が、中長期的な株式価値向上を促し、ひいては株式市場全体の活性化につながることを期待しております。

CGS研究会報告書-コーポレートガバナンスに関する研修・トレーニングの意義

CGS研究会報告書では、コーポレート・ガバナンス改革においてトップの姿勢の重要性、およびそのための研修の意義について下記のように記載されています。(報告書PP6-7)

「コーポレートガバナンス改革は、社長・CEO の理解なくして実質化を進めることは難しい。まず社長・CEO がコーポレートガバナンス改革に取り組む意義を理解し、率先して取り組む姿勢を示すことが望まれる。」

「コーポレートガバナンスの問題は、これまでの各企業の文化・企業風土等に根ざしているところも大きいため、コーポレートガバナンス改革を進める上で、一部の者だけでなく、取締役や経営陣あるいはその前段階の候補者層の意識改革を一斉に行っていくことが求められる。あらゆる階層での意識改革のためには、社長・CEO やコーポレートガバナンスを担当する企業幹部の主導の下で、取締役や経営陣等に対してコーポレートガバナンスに関する研修・トレーニングを適切に実施することが重要である。」

経産省、CGS(コーポレート・ガバナンス・システム)研究会報告書公表

経産省は、3月10日、企業の「稼ぐ力」を強化するために有意義と考えられるコーポレートガバナンスの構築・運用に関する取組について検討する『CGS研究会』の報告書を発表しました。
報告書関連資料はコチラからダウンロードできます。

第2回「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」

金融庁の「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」が2月17日開催され、議決権行使会社と集団的エンゲージメントを中心に討議されました。冨山和彦氏から今回の改訂について提出された意見書が公開されました。詳細は意見書をご覧ください。

主な論点:
1.安定株主の存在が実効的な対話を妨げるのを防ぐ
2.機関投資家の利益相反関係の実態に着目したガバナンスの強化
3.対話の中身の「質」を高めるための資源投入の促進
4.スチュワードシップ活動の評価の「見える化」
5.共同エンゲージメントの促進
6.議決権行使助言会社の助言の質の確保

その他提出資料もコチラからご覧になれます。

磯山友幸氏「安倍内閣が最も日本的な「あの人事慣行」にメス ー社長は退任したらさっさと去るべしー」

経済ジャーナリストの磯山友幸氏が現代ビジネスに寄稿した記事です。

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社長よりも強い人がいるのはなぜ?

政府の成長戦略を作る「未来投資会議」が、コーポレートガバナンスの強化策として、社長OBが相談役や顧問として企業に残る慣行の見直しに乗り出した。

1月27日に首相官邸で開いた第4回未来投資会議での議論を受けて、安倍晋三首相自身が「本日の問題提起を踏まえて、不透明な、退任した経営トップの影響を払拭し、取締役会の監督機能を強化することにより、果断な経営判断が行われるようにしていきます」と述べ、今後、具体的に対応していくことを明言した。

最も日本的とされる人事慣行のひとつにメスが入ることになる。

第2次安倍内閣が取り組んできたコーポレートガバナンス改革では、取締役会の権限強化や独立性強化に力点が置かれてきた。

ところが、日本企業にはガバナンス上、大きな問題があるケースが少なくなかった。社長よりも絶対的な権限を握っている人物がしばしば社内にいることだ。

社長や会長を退任して肩書上は「顧問」や「相談役」になっていても、実質的に権力を握り続けている例が多くあり、日本的な人事慣行といっても良いほどになっている。

いくら独立した取締役会で議論しても、実力「顧問」の鶴の一声ですべてが変わってしまうのであれば、コーポレートガバナンスの強化は絵に描いた餅になる。

パナソニックによるパナホームの買収 「会社非公開化」取引において少数株主は脆弱である

パナソニックによるパナホームの買収

「会社非公開化」取引において少数株主は脆弱である

Seth Fischer / セス・フィッシャー

Oasis Management Company Ltd. /

オアシス・マネージメント・カンパニー リミテッド

当社は日本の上場企業の幅広いポートフォリオに投資するファンドを勧めている。私は、日本のコーポレート・ガバナンスをグローバルスタンダード並みに向上させるという安倍政権の取り組みに励まされた。しかし、私も投資をしている係争中の住宅販売会社パナホームの支配株主である電子工業大手パナソニッックによる買収を見ると、日本にはまだ非公開化取引の不均整なリスクに対応する安全装置が確立されていないことがわかる。

米国および欧州のコーポレート・ガバナンス原則では、「会社非公開化」取引(すなわち、支配株主または現経営陣が上場企業の株式をすべて買い取ること)は特に慎重に扱われている。会社非公開化は当該会社の株主にとって異常に高いリスクを課すため、特別な配慮を要するものとされている。取得側には、大きな相反があるだけでなく、非継続株主に不利となるように会社の価値や価格を操作するのに絶好の立場にあるからだ。

パナホームの株主が米国であれば受けられる保護と、パナホームの株主が実際に受けている待遇を比較してみたい。

大企業「相談役」「顧問」は老害か 年収は2000~3000万。専用車、個室、秘書の「三点セット」も – 「文藝春秋」編集部

文藝春秋3月号で『64社徹底調査――その役割と待遇は? 大企業「相談役・顧問」リスト 大西康之&本誌取材班』と題する記事が掲載され、文春オンラインで紹介されています。

日経ビジネス『企業は「相談役・顧問」を見直すべき』ISS石田氏インタビュー

日経ビジネス・オンラインは、2月8日、議決権行使助言会社ISSのエクゼクティブ・ディレクター石田猛行氏インタビュー記事を掲載しました。石田氏は、今年度の議決権行使アドバイスのポイントとして、「今年は新たに相談役・顧問制度を規定しようとする定款変更について、「反対」を推奨するというポリシーを入れました。」と解説しています。

「経済産業省のアンケート調査にもあるように、上場企業の約6割で相談役・顧問が存在しているという実態があります。その企業の経営に大きな影響を与える存在でありながら、多くの場合、取締役でないために株主総会で選任されるわけではありません。

株主に対する受託者責任を追うこともなく、訴訟の対象にもなりにくい。アカウンタビリティーなしにその会社の経営に少なからぬ影響力を行使することが、一番の問題だと考えています。」