「社外役員3分の1以上に」 米グラスルイス、増員促す (日経記事)

12月16日付日本経済新聞記事で、大手議決権行使助言会社グラスルイスが、2017年度の指針で、監査役会設置会社を対象に、取締役と監査役合計に占める社外役員の数を全体の3分の1になるよう求め、満たさない場合、取締役会の議長であることが多い会長の選任議案に反対推奨を出すと公表したと報じています。 

株主利益を無視?―取締役は買付価格にして1.6倍 明らかに好条件の対抗提案を無視できるか

日本のM&Aに一石を投じる案件である。投資ファンドのアスパラントグループが和装のさが美の株式を、さが美の親会社であるユニー・ファミリーマートHDから56円で買い取るTOBを公表したのは8月17日。続く9月27日、こちらも投資ファンドのニューホライズンが、ユニー・ファミリーマートとに対して70円でさが美株式を買い取るという対抗提案を申し入れ、さらに30日には90円に引き上げている。買付価格にして1.6倍、この経済的には明らかに好条件の提案に対して、しかしながら、ユニーはいまだ沈黙を続けたままだ。

日本企業においては、企業価値の最大化が経営陣の第一義的な責務とは、必ずしも考えられてこなかった。ある意味、個人株主の経済的利益をおざなりにしてきたこの企業風土にメスを入れるのが、昨今のコンプライアンス改革である。

日本企業のコンプライアンス意識は果たして変わったのか。ニューホライズンの提案に対するユニー・ファミリーマートの対応は、その試金石となるだろう。事案を詳ししく見ていこう。

7/11(月)セミナー『突然のTOB-その時どう動く?』

日本企業が海外企業を買収するM&A案件が増加しています。キャッシュリッチな企業が資金の運用先を求め、また先細りする国内需要を海外需要で補う狙いがあるようです。世界的には、同一業界内の企業が関わる大型M&Aが目立ち、大きな業界再編が見込まれています。海外投資ファンドによる日本企業の買収意欲も衰えていません。ある日突然、自社がTOBの対象企業となる、それはどの企業も意識・準備しておくべき事態と言えるでしょう。

他方で、買収防衛策を廃止する企業が増えています。理由は、様々のようですが、金商法によっても、大量買付行為に際して適切な判断をするのに必要な情報・時間が確保できる、という見方もあります。しかし、「敵対的買収者が現れた場合にどうすべきか」では、遅くに失し、株主その他のステークホールダーに対しての責任は十分に果たせなく恐れがあります。当然、社内取締役を含む会社マネジメントは備えを十分に行っておく必要があります。しかし、より重要なのは、独立社外取締役の役割です。

コーポレートガバナンス・コードの制定により取締役会の行為基準は変化し、ステューワードシップ・コードの制定により株主としての機関投資家も、過去とはことなる行動様式を示す可能性があります。敵対的買収者と言っても、その性格及び作戦は異なり、対象会社の取るべき行為も、それに応じて差異が出てきます。

本セミナーでは、独立社外取締役が、様々な敵対的買収者に柔軟に対応できるよう、軸となる考え方を提示します。

RIETI:「日本における取締役会の改革の効果分析」

rieti

「カネボウ、ライブドア、オリンパスなど、日本企業の不祥事が相次いだ。内部者によって構成されている取締役会は企業のパフォーマンスと関係なく社長を選任し、そのように選任された社長は企業価値を高めるような経営をすることは難しい。このような日本企業のコーポレート・ガバナンスの問題を解決するために、外部取締役と経営者の誘因メカニズムなどを中心とするアメリカの企業統治方式を日本へ導入する方向へ改革が行われてきた。具体的な改革措置は2001年の社外取締役導入、2003年の委員会等設置会社の導入、更には2006年施行の会社法による、会社の規模に関わらない委員会設置会社への移行であった。しかし、2003年に委員会設置会社へ移行した東芝で最近起きた不適切会計の問題はコーポレート・ガバナンスの制度を変えることだけでは日本企業の経営を新たにできないことを示唆する。今年また会社法が改訂されたが、その前に行われた一連の改革措置が日本企業のパフォーマンスにどのような影響をもたらしたかについて、2005年から2010年までの『企業活動基本調査』の個票データを用いて分析した。

指名方針等についてのコーポレートガバナンス・コード 対応調査結果

指名方針等についてのコーポレートガバナンス・コード対応調査結果

公益社団法人会社役員育成機構(BDTI)
2015年12月1日

【はじめに】
6月1日より施行されたコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)では原則3-1(iv)*において、取締役会は経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続きの情報を開示することを企業に求めている。また3-1(v)において、取締役会が上記(iv)を踏まえて経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行う際の、個々の選任・指名についての説明を企業に開示するよう求めている。そこで各企業の役員の指名を行うに当たっての方針と手続き、また選任・指名理由についての開示状況を、6月1日から11月13日までに提出された上場企業105社のコーポレートガバナンス報告書等を対象に調査分析を行った。

サイバーエージェント(CA)の株主招集通知は「社外取締役を置くことが相当でない理由」を説明

ⅳ. 社外取締役を置くことが相当でない理由
 現在、独立性の高い社外監査役2名が監査を実施しており、社外からの経営への監視・助言機能が十分に働き、その客観性・中立性が確保されていると考えておりますが、社外取締役を選任することによりコーポレート・ガバナンスの強化を図ることができると考えております。
しかしながら、その候補者には、当社経営・企業価値への理解及び当社経営からの独立性を有する必要があると考えております。適任者候補が見つかり、当該人物の同意が得られれば選任する方針でありますので、適切な人材の確保に向けて努めてまいります。

http://www.cyberagent.co.jp/files/topics/11317_ext_16_0.pdf

日本取引所グループ:「独立社外取締役委員会立ち上げ」

日本取引所グループの清田瞭・最高経営責任者(CEO)は25日午後の定例記者会見で、独立社外取締役委員会を2016年3月期中に設けると話した。
25日に更新されたコーポレートガバナンス報告書に今後の「独立社外取締役委員会」に関して以下のように明記している。

アロンソン教授:「経営者の意識で変わる社外取締役の存在意義」

社外取締役を阻む障害

 社外取締役の役割について、日本企業の見方は大きく2つのグループに分かれていた。多くの伝統的な日本企業は、社外取締役が現実問題としてあまり役に立たず、外国株主等の外部者をなだめるための形式的なものに過ぎないと信じてきた。これに対して、一部の日本の大企業は、社外取締役が取締役会の意思決定に有意義な貢献を行いうると考え、社外取締役を積極的に活用している。
 伝統的な日本企業が社外取締役に対して懐疑的である原因として、今まで、社外取締役の効果的な役割を限定してきた要因の存在があげられる。社外取締役が機能する環境の問題として、必要な情報が必ずしも簡単に入手可能ではないこと、適切なインセンティブ等が欠けていることがあげられる。社外取締役が存在するとしても、1人だけでは取締役会での発言を躊躇してしまうかもしれない。なお、取締役会のレベル以前の段階(経営会議等)において、経営側が実際の決定を行っているケースが多いとすれば、これは、取締役会の機能のみならず、社外取締役の機能をも弱めることになる。
 しかし、多くの日本企業において、社外取締役が効果的に機能を果たすための一番大きな障害は、経営者の従来のマインドセットであるように思われる。経営者が不本意ながら社外取締役を置いているような会社では、社外取締役があまりうまく機能していないことは、驚くべきことではない。逆に、経営者が社外取締役に対して、会社に貢献することを期待し、取締役会における積極的な発言を評価するならば、社外取締役は、より効果的に機能するであろう。

METIは私の提案、「執行役員を社外取締役として活用すべきだ」、を報告書に取り入れました

 

Benes for e-learning

皆様はご存じでしょうが、これらの報告書は業績連動型報酬と多数の課題について発表されました。

METIは下記の私の提言であった、「執行役員を社外取締役として活用すべきだ」案を取り入れて下さった。次のステップは、企業側で別業会なら「兼業の禁止」を免除する内部ルールを設ければいい。

—-> (METI報告書の文書)

「したがって、企業経営経験者が、自らの業種・業界を越えて、社外取締役として活躍することが望ましい。この点に関して、例えば、退任した企業の最高経営責任者(CEO)は自社の相談役より他社の社外取締役へ就任することや、グループ会社の経営経験のある執行役員クラスの人材が他社の社外取締役に就任することなどが求められる。とりわけ、執行役員クラスの人材にとっては、このような他社での社外取締役としての経験より得た経営に関する知見が、ひいては自社における経営に活かされていくことが期待される。」