金融庁:「機関投資家による実効的なスチュワードシップ活動のあり方」を公表

2016年11月30日「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」意見書として「機関投資家による実効的なスチュワードシップ活動のあり方~企業の持続的な成長に向けた「建設的な対話」の充実のために~」という報告書が公表されました。

運用機関とアセットオーナーそれぞれに、以下のような求められる取り組みを提言しています。

「運用機関による実効的なスチュワードシップ活動」

1.運用機関のガバナンス・利益相反管理等
2.議決権行使結果の公表の充実
3.パッシブ運用におけるエンゲージメント等
4.運用機関の自己評価

スチュワードシップコードが実効的に機能するために、年金ガバナンス強化の具体策を提言する

年金ガバナンス強化はアベノミクスのガバナンス改革を完成するのに不可欠

コーポレートガバナンス・コードが最大限に機能するために、スチュワードシップ・コードは実効的に機能しなければなりません。いくら「建設的な対話」と唱えても、本来、ファンドマネジャーにとって対話活動及び議決権行使は「コスト・センター」であって手間暇がかかるので、そのファンドマネジャーの重要顧客がその活動を具体的に求めなければ、どちらかと言えば運用業者は手を抜いて表面上の行動で済ませがちです。

残念ながら、政府の努力にもかかわらず、日本ではこの「インベストメント・チェーン」には大きいな問題がまだ残っています。ファンドマネジャーの一番重要な顧客は年金基金です。多額の額の掛け金を定期的に委託してくれるのですから、神様のようなものです。年金基金がファンドマネジャーの選定に当たってスチュワードシップ活動およびESG分析が重要な基準であることを明確にすれば、あっという間に「建設的な対話」は半分PRようなものと思われている「コスト・センター」ではなくなります。

ところが、スチュワードシップコードの受け入れを表明した何百社の機関投資家の中には、何社の非金融上場企業の年金基金が含まれていると思いますか?現時点では、一社のみです(セコムの年金基金)。たった一社!これでは、同コードがそのフル・ポテンシャルを発揮するはずがありません。

日本経済再生本部:日本再興戦略2016(素案)を公表

5月19日、日本再生本部は「日本再興戦略2016」(素案)を公表しました。

第一「総論」より一部抜粋

(P19)
「(3)未来投資に向けた制度改革
ア)コーポレートガバナンスの更なる強化
コーポレートガバナンス改革は、成長戦略の最重要課題である。その位置づけに変わりはない。600 兆円経済の実現に向けた成長市場が顕在化し、第4次産業革命という移り変わりが早い時代を迎えた今こそ、「攻めの経営」が求められているのである。
「企業と投資家の建設的な対話」、その実効性を上げていくことが求められている。魔法の杖がある訳ではない。関係者が、その重要性を認識し、様々な取組を積み重ねていくことが必要である。 コーポレートガバナンス改革を「形式」から「実質」へと深化させていくためには、機関投資家サイドから、上場企業に対する働きかけの実効性を高めていくことが有効である。このため、投資家には、企業側に「気づき」を与える対話を促していく。
あわせて、最高経営責任者(CEO)の選解任プロセスや取締役会の構成・運営・評価などに係る上場企業の取組状況を把握、公表していくこと等を通じ、コーポレートガバナンスの実効性向上に向けた上場企業による取組みを促していく。そして、そうした取組を支える基盤として、企業の情報開示の実効性・効率性の向上や株主総会プロセス電子化等を着実に進めていく。企業の情報開示については、「スチュワードシップ・コード」に掲げる企業と投資家の対話を促進する観点から、これまでの検討を土台にしながら、2019 年前半を目途として、国際的に見て最も実効的・効率的な開示の実現及び株主総会日程・基準日の合理的な設定のための環境整備を目指すこととする。

過去最高の企業収益で、日本経済のフロンティアを切り拓いていく、そうした投資が求められている。

<鍵となる施策>
①企業と投資家の建設的な対話の基盤となる企業の情報開示の実効性・効率性の向上等
②株主総会プロセスの電子化 」

GPIF:「機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果の公表」

GPIF

「・・・・・アンケート結果の概要

■機関投資家のスチュワードシップ活動に対する意見・要望
○回答企業の約6割が日本版スチュワードシップ・コード導入後の機関投資家の変化を認め、経営戦略、ESGに関する質問が増えたことを肯定的に捉えている。
○一方で、好ましくない変化として、実績作りのための形式的・画一的な質問が増えたことや経営者との面談を強要するケースが増えたことなどを挙げた企業も多い。
○企業を取り巻く環境などを無視した一方的な提案もある。
○機関投資家の変化として、好ましい変化、好ましくない変化ともに資本政策・資本効率に関する質問が増えたことを挙げた企業が多く、評価が分かれた。
○企業側は、資本政策や資本効率に関しては、投資家ならではの示唆を期待している。
○投資家の短期志向(ショート・ターミズム)に対する懸念から、中長期的な視点に立った対話や投資を求める声が目立つ。

「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」 (第6回)議事次第

金融庁

第1回から第5回まではコーポレートガバナンス・コードのフォローアップが主題でしたが、ようやく第6回からスチュワードシップ・コードのフォローアップが始まりました。スチュワードシップ・コード受け入れ機関の取り組み状況やGPIFの水野CIOによる同機関の取り組み概要が公表されました。

http://www.fsa.go.jp/singi/follow-up/siryou/20160218.html

日本取引所グループ:「会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けた取締役会のあり方」 の公表について」

tse

「東証と金融庁が共同で開催している「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(座長 池尾和人 慶應義塾大学経済学部教授)では、取締役会のあり方に関する意見書を以下のとおり公表しましたので、お知らせいたします。」

意見書:http://www.jpx.co.jp/news/1020/20160218-01.html