GPIFが導入する責任投資(ESG投資) (1) 「ESG」とは何か?

ESG(環境・社会・ガバナンス)投資とは

・会社が持続的に成長できるかどうかを判断する指標のことです。主に会社の長期的な存続に関わる様々な関係者および社会に与えるインパクトの視点から投資判断をします。
・会社は関係者の協力および社会との調和を基に成長しているからです。逆にその協力および調和がなくなれば、会社の長期的存続さえ危うくなります。長期的に存続し成長が見込めない会社の投資価値は大幅に減ります。
・環境(Environment)は地域環境への配慮、地球環境問題への取り組みを指します。
・社会(Social)は社会的な課題への解決に向けた取り組みを指します。
・コーポレート・ガバナンス(Governance)は株主や政府(規制当局)など会社運営に最重要な関係者への対応に加え、環境や社会に対する課題解決の体制を指します。

ESG(環境・社会・ガバナンス)投資とは

伝統的には、投資家は財務情報を分析し、財務パフォーマンス向上を導くコーポレート・ガバナンスの対象となる関係者への対策が重要視されました。しかし現在は長期的な投資価値を確認するため、環境や社会に属する関係者および外部への対応もコーポレート・ガバナンスの果たすべき機能の一部と認識されつつあります。

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代表的なESG課題・リスク

全業種共通の主要業績評価指標例

  • エネルギー効率:エネルギー消費量
  • 温室効果ガス排出量:温室効果ガス排出量(自家排出及び電力消費)
  • 従業員離職者数:全体に占める離職従業員の割合
  • 研修・資格:従業員一人当たりの平均研修費
  • 従業員の成熟度:年代別労働者数(10歳刻み)
  • 報酬:ⅰ)ボーナス、インセンティブ、ストックオプションの総額、ⅱ)全体の90%の報酬を受け取る従業員数、ⅲ)ESG業績をどのように報酬に適用しているか。
  • 訴訟リスク:反競争的行為、反トラスト法、独占禁止法に関連する罰金・訴訟費用
  • 汚職:Transparency International汚職指数0以下の地域からの売上高割合
  • 新製品からの売上:過去12か月以内に新製品・改良製品からの売上高比率
  • イノベーション:ⅰ)研究開発費用、ⅱ)ESG関連の研究投資額

その他業種別業績評価指標例

・発電設備構成:石炭火力、水力、再生可能エネルギーなどの比率

・人口構成の変化:会社に与える影響、潜在的な悪影響を最小化する方法

・政治献金:売上高に占める割合

・ブランド価値:外部機関によるブランド価値、算定方法

上記のコンテンツは当法人が黒田一賢氏から提供を受けたものです。当法人は、黒田氏から、上記コンテンツを当法人のセミナーや研修プログラムの中で自由に使用してよい旨の許諾を受けております。

黒田一賢(くろだかずたか):岡三証 券で日本株ストラテジスト、英国のESG投資向け企業調査機関でシニアアナリストを歴任。2012年に世界的なESGアナリストランキングである Independent Research in Responsible Investment Survey 2012でSRI調査、コーポレートガバナンス調査でそれぞれ世界4位、これまで日本人では唯一のランキング入り。長期投資に強い関心を持つ金融業界のプ ロフェッショナル、学識経験者、その他専門家で構成されるNetwork for Sustainable Financial  Markets (SFM、持続可能な金融市場ネットワーク)の日本ワーキンググループ共同代表も務め、数々の執筆活動の他、伊藤レポート、スチュワードシップ・コード、 コーポレートガバナンス・コードへの意見書提出等精力的に活動。日本証券アナリスト協会検定会員。

責任投資(ESG投資) (2) 投資家はどのようにESG情報を使う?

なぜ機関投資家はESG投資に注目するのか

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機関投資家はどのようにESG情報を利用するか

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ESGに注目した投資は着実に増加

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投資チェーンとESGデータ・プロバイダー

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上記のコンテンツは当法人が黒田一賢氏から提供を受けたものです。当法人は、黒田氏から、上記コンテンツを当法人のセミナーや研修プログラムの中で自由に使用してよい旨の許諾を受けております。

黒田一賢(くろだかずたか):岡三証 券で日本株ストラテジスト、英国のESG投資向け企業調査機関でシニアアナリストを歴任。2012年に世界的なESGアナリストランキングである Independent Research in Responsible Investment Survey 2012でSRI調査、コーポレートガバナンス調査でそれぞれ世界4位、これまで日本人では唯一のランキング入り。長期投資に強い関心を持つ金融業界のプ ロフェッショナル、学識経験者、その他専門家で構成されるNetwork for Sustainable Financial Markets(SFM、持続可能な金融市場ネットワーク)の日本ワーキンググループ共同代表も務め、数々の執筆活動の他、伊藤レポート、スチュワード シップ・コード、コーポレートガバナンス・コードへの意見書提出等精力的に活動。日本証券アナリスト協会検定会員。

責任投資(ESG投資) (3) ESGリサーチの方法は?

重要性(マテリアリティ、materiality)分析

・調査では大まかに1)会社が取り組むべき課題、重要度の特定、2)実際の取り組みの評価、3)格付け・ランキング等が行われます。

・1)の段階は重要性(マテリアリティ)分析と呼ばれ、会社にとって重要な事項の洗い出し、重要性の度合いを確定します。

・代表的な評価軸は会社が属している業界、操業地域です。

・石油・ガスなどの第一次産業では環境汚染や労働環境など操業に伴う課題がほとんどですが、小売りなどの第三次産業ではさらに製品安全性など消費者目線の課題が加わります。

・同様に操業地域によって地域社会が抱える問題、規制の厳格さが異なるため、日本で特に問題になっていない事項でも配慮が必要な場合があります。

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企業分析

主に公表情報を基に方針・(方針の)適用体制・実績を以下の視点で評価します。

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企業分析―気候変動(CO2排出)を例に

主に公表情報を基に方針・(方針の)適用体制・実績を以下の視点で評価します。

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格付け・ランキング

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黒田一賢(くろだかずたか):岡三証 券で日本株ストラテジスト、英国のESG投資向け企業調査機関でシニアアナリストを歴任。2012年に世界的なESGアナリストランキングである Independent Research in Responsible Investment Survey 2012でSRI調査、コーポレートガバナンス調査でそれぞれ世界4位、これまで日本人では唯一のランキング入り。長期投資に強い関心を持つ金融業界のプ ロフェッショナル、学識経験者、その他専門家で構成されるNetwork for Sustainable Financial  Markets (SFM、持続可能な金融市場ネットワーク)の日本ワーキンググループ共同代表も務め、数々の執筆活動の他、伊藤レポート、スチュワードシップ・コード、 コーポレートガバナンス・コードへの意見書提出等精力的に活動。日本証券アナリスト協会検定会員。