アロンソン教授:「経営者の意識で変わる社外取締役の存在意義」

社外取締役を阻む障害

 社外取締役の役割について、日本企業の見方は大きく2つのグループに分かれていた。多くの伝統的な日本企業は、社外取締役が現実問題としてあまり役に立たず、外国株主等の外部者をなだめるための形式的なものに過ぎないと信じてきた。これに対して、一部の日本の大企業は、社外取締役が取締役会の意思決定に有意義な貢献を行いうると考え、社外取締役を積極的に活用している。
 伝統的な日本企業が社外取締役に対して懐疑的である原因として、今まで、社外取締役の効果的な役割を限定してきた要因の存在があげられる。社外取締役が機能する環境の問題として、必要な情報が必ずしも簡単に入手可能ではないこと、適切なインセンティブ等が欠けていることがあげられる。社外取締役が存在するとしても、1人だけでは取締役会での発言を躊躇してしまうかもしれない。なお、取締役会のレベル以前の段階(経営会議等)において、経営側が実際の決定を行っているケースが多いとすれば、これは、取締役会の機能のみならず、社外取締役の機能をも弱めることになる。
 しかし、多くの日本企業において、社外取締役が効果的に機能を果たすための一番大きな障害は、経営者の従来のマインドセットであるように思われる。経営者が不本意ながら社外取締役を置いているような会社では、社外取締役があまりうまく機能していないことは、驚くべきことではない。逆に、経営者が社外取締役に対して、会社に貢献することを期待し、取締役会における積極的な発言を評価するならば、社外取締役は、より効果的に機能するであろう。

金融庁:2014年9月2日付け、スチュワードシップコード受け入れ検討中の機関投資家に向けてのメッセージ

「【コードの受入れを検討中の機関投資家の皆さまへ】

○ 2014年8月末時点で、すでに160の機関投資家 の機関投資家から、日本版スチュワードシップ・コード(以下「 本コード」)の受入れ表明が行われました 。

 受入れの是非を検討中内外機関投資家におかれては、自らの置かれた状況を踏まえつつ 投資先企業との建設的な対話を促進するという、本コードの趣旨・精神を踏まえ、前向き なご検討をお願いたします 。

○ 特に、資産保有者としての機関投家( アセット・オーナー)による受入れは、本コード推進の駆動力の一つであり、大きな意味を持っています。

 「受入れ表明」「スチュワードシップの基本方針」等については、自己のウェブサイトで公表頂くことが原則ですが、年金基金をはじめウェブサイトを有していない機関投資家に置かれては、金融庁指定のメールアドレスに送付して頂き、金融庁のウェブサイトに掲載することも可能としておりますので、前向きなご判断を歓迎いたします。

金融庁:「スチュワードシップ・コード及びガバナンス・コードのフォローアップ会議」の設置について

「1.趣旨

『日本再興戦略』改訂2015」(平成27年6月30日閣議決定)においては、「昨年2月に策定・公表された『スチュワードシップ・コード』及び本年6月に適用が開始された『コーポレートガバナンス・コード』が車の両輪となって、投資家側と会社側双方から企業の持続的な成長が促されるよう、積極的にその普及・定着を図る必要がある。」とされている。

 形だけでなく実効的にガバナンスを機能させるなど、コーポレートガバナンスの更なる充実は引き続き重要な課題であり、また、このような取組を、経済の好循環確立につなげていく必要がある。

 このため、スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードの普及・定着状況をフォローアップするとともに、上場企業全体のコーポレートガバナンスの更なる充実に向けて、必要な施策を議論・提言することを目的として、「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(以下、「会議」という。)を設置する。

日経ビジネスオンライン:『東芝に存在した「不正のトライアングル」』

「動機」と「機会」、そして「正当化」の3要素がそろったことが、東芝の不正会計の原因になった――。

 こう指摘するのは、日本公認不正検査士協会の濱田眞樹人・理事長だ。公認不正検査士は、会計と法律、調査、犯罪学という4つの分野で専門知識を磨き続ける、企業不正対策のプロフェッショナル。倫理観が高い多くの東芝社員が「会社のため」と言い訳をしたことが、不正の根底にあると濱田氏は話す。

証券アナリストジャーナル -コーポレートガバナンス・コード特集―

証券アナリストジャーナル8月号がコーポレートガバナンス・コード特集です。

(論文) コーポレートガバナンス・コードの概要      油布志行
     コーポレートガバナンス・コードへの期待と課題  小口俊朗
(座談会)コーポレートガバナンス・コードを機能させるために
       小澤大二/佐藤淑子/中原裕彦/西山賢吾/大崎貞和

牧野洋氏コラム: 東芝不正会計問題の盲点 「バフェット基準」を満たさない社外取締役は機能しない!

ジャーナリストの牧野洋氏が現代ビジネスのコラムで、東芝不正会計事件における社外取締の役割を報酬制度という視点からコメントしています。

記事全文はこちらでご覧いただけます。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44472

コーポレート・ガバナンスに実行を持たせるための一つの鍵として、役員の報酬制度が改めて焦点となる中、BDTIでは9/3(木)にセミナー『役員と経営者の業績連動型報酬の将来像~10年後を見据えて~』を開催します。

東電元会長ら3人強制起訴へ、検察審議決で刑事裁判に(ロイター記事)

「東京電力(9501.T)福島第1原発事故をめぐり、東京第5検察審査会は31日、東電の勝俣恒久元会長(75)ら3人について「起訴すべき」とする議決文を公表した。同審査会で起訴すべきとの判断が出るのは2回目で、勝俣元会長らは強制起訴される。福島原発事故関連で刑事裁判に発展するのは初めて。

勝俣元会長のほか武藤栄元副社長(65)、武黒一郎元副社長(69)も強制起訴される。裁判所が指定した弁護士が検察官に代わって3人を起訴し、刑事裁判が始まる。

今月17日付の議決文では、勝俣元会長ら3人について原発事故の主因となった大津波の発生について「具体的な予見可能性があった」などの判断を示した。」

原文:http://bit.ly/1gzXBcl

経済ジャーナリスト磯山氏ブログ:『東芝不正会計問題、監査法人は本当に「騙された」のか いずれ浮上する「関係」の中身』

経済ジャーナリスト磯山友幸氏が日経ビジネスオンラインに寄稿した記事が自身のブログでも公開されています。

「...東芝を責めない監査法人トップ

 日経ビジネスオンラインのインタビューで、コーポレートガバナンス問題の第一人者である久保利英明弁護士は、第三者委員会の報告書を「落第点」と切り捨てたうえでこう指摘している。

METIは私の提案、「執行役員を社外取締役として活用すべきだ」、を報告書に取り入れました

 

Benes for e-learning

皆様はご存じでしょうが、これらの報告書は業績連動型報酬と多数の課題について発表されました。

METIは下記の私の提言であった、「執行役員を社外取締役として活用すべきだ」案を取り入れて下さった。次のステップは、企業側で別業会なら「兼業の禁止」を免除する内部ルールを設ければいい。

—-> (METI報告書の文書)

「したがって、企業経営経験者が、自らの業種・業界を越えて、社外取締役として活躍することが望ましい。この点に関して、例えば、退任した企業の最高経営責任者(CEO)は自社の相談役より他社の社外取締役へ就任することや、グループ会社の経営経験のある執行役員クラスの人材が他社の社外取締役に就任することなどが求められる。とりわけ、執行役員クラスの人材にとっては、このような他社での社外取締役としての経験より得た経営に関する知見が、ひいては自社における経営に活かされていくことが期待される。」

東芝の第三者委員会報告書も 「役員研修」を推奨

BDTIでは、東芝事件の根本的の原因の一つは、外部機関による徹底した役員研修の欠如だと思っています。執行役員の全員にその段階で(つまり役員になる前の段階で)役員研修を義務付けていたら、より早いタイミングで社外取締役などへの内部通報で暴走が止まったと思われます。東芝の第三者委員会も同じ考えのようです。