取締役候補者からのキリンHDの株主へのメモ

インデペンデントフランチャイズパートナー(IFP)は、菊池 加奈子氏(経験豊富なグローバル製薬幹部)と私を独立社外取締役として指名する株主提案をキリンホールディングス(KH)に提出しました。Glass Lewisは二人の選任を支持していますが、ISSは中途半端な「妥協」をして菊地氏の人材価値を認めながら、どういうわけか私だけを支持しているようです。

ですが現実問題として、投資家が菊地氏を支持してくだされば、取締役会がキリンホールディングスの企業戦略について十分な業界知識・情報・分析に基づいた客観的かつ独立した継続的評価を実際に行う確率が高くなります。このような客観的な評価はキリンホールディングスの将来価値向上には不可欠でしょう。

二人ともIFPとは以前から関係は一切なく、IFPの他の株主提案とも関係がありません。それらの提案については、中立的・独立した姿勢をとっています。 株主が配当提案を支持しない場合、我々が取締役会に参加し、質問できる状態になり、内部分析および機密情報が明らかになるまで、戦略に関する決定を保留することが最も賢明であると考えています。したがって、すべての事実を知る前に事前に決定することなく、二人は取締役会に参加するーこれが、真に独立した取締役として取ることができる唯一の論理的な方法です。私の個人哲学と法的義務はすべての株主に答えることであります。IFPがこれまでに取った、あるいは将来取る可能性のある立場に同意できない可能性があることはIFPに明確な形で伝えています。 IFPはこれで問題はないとしています。(もちろん、逐一IFPの「許可」を得る必要は全然ありませんが。)

多くの投資家は、今こそ菊地氏の知識および経験が必要とされているのにも関わらず同氏が選任されなければ、取締役会にグローバルなバイオファーマ企業で経験を持つ人が一人もいないことに気付いていないかもしれません。キリンホールディングスはヘルスサイエンス・バイオファーマなどの分野へ事業の多角化を目指す成長戦略を考えれば、この状況は賢明ではなく、私にとって大きな懸念です。

取締役の人数制限がある故に菊地氏の選任に賛成することによって投資家が別の取締役の選任に「賛成しない」必要があれば、タイヤ産業での豊富な経営知識を持つ荒川氏はその候補の一人でしょう。報酬諮問委員会委員長として、候補者として辞任するよう促すなど形式的な二人の個別面接プロセスに直接関わってきました。独立性を欠く、または取締役会に一度も出席せずに戦略をサポートするといったような、真に独立していなさそうな「社外」取締役候補者を指名した結果を見れば、委員長の役割をあまり果たせていないように思えます。つまり、荒川氏はキリンホールディングスの経営陣により「事前にフィルターをかけられた」候補者の選定プロセスを監督したようです。荒川氏はすでにキリンホールディングスの取締役を5年間務めており、今年76歳になります。

キリンホールディングスの株主総会は、日本のコーポレートガバナンスの向上過程では重要な曲がり角になりそうです。なぜなら、この株主総会の中核となる論点は、「独立取締役」が:

(1) あまり批評をしない、と言うのが指名の際の暗黙の条件であるため、戦略を客観的に評価できない人でもいいのか

あるいは

(2)すべての事実および分析を把握し、他の人と話し合った後、その時点で戦略について意見を洗練させることができる、またはする人であるべきなのか

という事になりそうです。

これは、日本で最も重要なガバナンス問題です。株主がこの問題に正面から取り組まない限り、重要な戦略の課題となった時にひたすら従来と別な形の「お友達取締役」しかいないことになります。これはイギリスのコーポレートガバナンスコードが言及している、独立社外取締役は建設的に「経営陣をchallengeすべき」原則の反対方向です。 日本では特にイギリスよりも、コーポレート・ガバナンスの改革が意図した効果を発揮するためには、この中核的な問題に取り組む必要があります。

ニコラス・ベネシュ

(私個人の意見であり、組織や他の人の意見ではありません。)









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