神戸製鋼事件を考える(続き4)

不祥事防止・発見に社外取締役は役立つのか、どう貢献できるか、大変難しい問題です。これを神戸製鋼最終報告書はどう考えているのか、記載から分かることを整理しておきたいと思います。

前提事実ですが、神戸製鋼は2016年に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。2017年当時、全取締役は16名、うち5名が独立社外取締役でした。

事件発覚後、中間報告書が出された2017年11月10日、取締役会の諮問機関として、社外取締役5名を含む8名の委員で構成される「品質ガバナンス再構築検討委員会」が設置され、グループガバナンスを検討していたそうです。中間報告書では、その機能について、次のように記載されていました。「グループ会社も含めた品質ガバナンス強化策、組織改革、意識改革、外部人材の活用、海外の統括会社機能強化等を検討する。」

2018年3月6日に会社から最終報告書が公表されました。これは元福岡高検検事長を筆頭とする外部調査委員会の報告書そのままではありませんし、個人情報除外版でも概要版でもありません。米国で司法当局調査、カナダで損害賠償請求訴訟が継続中であることを踏まえ、会社に不利益に働くのを防ぐのを主目的に、外部調査委員会の報告書は公表しなかったようです。しかし、会社の最終報告書が外部調査委員会の報告書にある事実関係を不当に省略し歪曲していないことを、社外取締役が確認している、とのことです。

当面の間「外部品質監督委員会」が設置されるそうですが、構成員は外部有識者とあり、社外取締役が加わるとは書かれていません。報告書54頁には取締役会周辺の組織図があり、取締役会の諮問委員会として外部品質監督委員会が描かれていますが、品質ガバナンス再構築検討委員会は描かれていません。品質ガバナンス再構築検討委員会は半年も経たずに廃止されたのでしょうか。今後も継続するなら他の委員会との連絡・調整はどうなるのでしょうか。

取締役会議長は社外取締役の役割となります。

新たな諮問機関として指名・報酬委員会が設置されるとのことですが、その記載は2行に止まり、社外取締役の占める意味合いは分かりません。すなわち社外取締役だけで構成するのか、業務執行取締役をその構成員として含めるのか、は指名・報酬委員会の最重要ポイントの一つですが、記載されていません。

本社の品質管理・監査機能が強化され、これまでいなかった品質統括担当の取締役が新たに設置されます。議長を社外取締役とする取締役会に、当該品質統括担当取締役は説明責任を果たして行くことになります。品質管理や原価管理は技術的で専門性の高い分野ですが、どのような指標を使って共通言語とし、取締役会で説明・理解が実現できるかが、鍵になるでしょう。

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