コーポレートガバナンス・コード改定案

金融庁は、3月13日、第15回「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」を開催し、コーポレートガバナンス・コード改訂案投資家と企業の対話ガイドライン案を公表しました。

コードの改訂とガイドラインの策定の考え方について下記の様に説明されています。(以下引用)

1.経営環境の変化に対応した経営判断
コーポレートガバナンス改革は、経営陣による果断な経営判断を促すことを通じ、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を促すことをねらいとしている。
しかしながら、現状においても、なお経営環境の変化に応じた果断な経営判断が行われていないとの指摘がなされており、重く受け止める必要がある。例えば、日本企業においては、事業ポートフォリオの見直しが必ずしも十分に行われていないとの指摘があるが、その背景として、経営陣の資本コストに対する意識が未だ不十分であることが指摘されている。こうした指摘を踏まえ、事業ポートフォリオの見直しなどの果断な経営判断が重要であることや、そうした経営判断を行っていくために、自社の資本コストを的確に把握すべきことを明確化する必要があると考えられる。

2.投資戦略・財務管理の方針
企業が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現していくためには、戦略的・計画的に設備投資・研究開発投資・人材投資等を行っていくことも重要である。また、その際には、投資戦略と整合的で、資本コストを意識した適切な財務管理を行っていくことも重要である。

3.CEOの選解任・取締役会の機能発揮等
【CEOの選解任】
経営陣において、特に中心的な役割を果たすのはCEOであり、その選解任は、企業にとって最も重要な戦略的意思決定である*。(*CEOの選解任については、これまでもフォローアップ会議において議論を行ってきており、「会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けた取締役会のあり方」と題する意見書(平成 28 年2月公表)を取りまとめている。)
他方、多くの企業においては、こうしたCEOの育成・選任に向けた取組みが不十分であることが指摘されており、客観性・適時性・透明性ある手続を確立していくことが必要と考えられる。例えば、CEOの選解任の基準は未だ整備が進んでおらず、後継者計画についても、取締役会による十分な監督が行われている企業は少数にとどまっている状況にある。更に、近年、指名委員会を設置する企業は増加しつつあるものの、CEOの選解任プロセスの独立性・客観性を強化する上では、指名委員会の設置・活用を更に進めていくことが重要となる。
【取締役会の機能発揮等】
取締役会は、CEOをはじめとする経営陣を支える重要な役割・責務を担っており、取締役会全体として適切な知識・経験・能力を備えることが求められる。
また、我が国の上場企業役員に占める女性の割合は現状 3.7%にとどまって いるが、取締役会がその機能を十分に発揮していく上では、ジェンダー、更に は国際性の面を含む多様性を十分に確保していくことが重要である。

4.政策保有株式
近年、政策保有株式は減少傾向にあるものの、事業法人による保有の減少は 緩やかであり、政策保有株式が議決権に占める比率は依然として高い水準にあ る。
政策保有株式については、企業間で戦略的提携を進めていく上で意義があるとの指摘もある一方、安定株主の存在が企業経営に対する規律の緩みを生じさせているのではないかとの指摘や、企業のバランスシートにおいて活用されていないリスク性資産であり、資本管理上非効率ではないかとの指摘もなされている。
こうした状況を踏まえれば、政策保有株式について、投資家と企業の間で、これまで以上に深度ある対話が行われることが重要であり、企業には、個別の政策保有株式の保有目的や保有に伴う便益・リスクを具体的に精査した上で、保有の適否を検証し、分かりやすく開示・説明を行うことが求められる。また、政策保有株式の縮減に関する方針・考え方など、政策保有に関する方針をしっかりと開示することも重要である。
政策保有株式をめぐっては、保有させている側に対する規律付けの重要性も 指摘されたところであり、所要のコード改訂等を提言している。

5.アセットオーナー
コーポレートガバナンス改革を深化させ、インベストメント・チェーンの機能発揮を促していくためには、最終受益者の最も近くに位置し、企業との対話の直接の相手方となる運用機関に対して働きかけやモニタリングを行っているアセットオーナーの役割が極めて重要である。
アセットオーナーのうち、公的年金においては、昨年5月のスチュワードシップ・コード改訂を受け、運用機関に対して実効的なスチュワードシップ活動を求めるなどの動きが見られているが、企業年金については、必ずしも十分に 取組みが進んでいない状況にある。企業年金におけるスチュワードシップ活動への関心は総じて低く、実際にこうした活動を行っている企業年金も少ないとの指摘があり、スチュワードシップ・コードを受け入れている企業年金は9基金にとどまっている。また、企業年金においては、スチュワードシップ活動を含めた運用に携わる人材が質的・量的に不足しているのではないかとの指摘もなされている。
こうした課題については、一義的には企業年金自体において対処されるべきものであるが、母体企業においても、企業年金の運用が従業員の資産形成や自らの財政状態に影響を与えることを十分認識し、企業年金がアセットオーナーとして期待される機能を実効的に発揮できるよう、自ら主体的に人事面や運営面における取組みを行うことが求められる。こうした取組みが進むことにより、 企業年金における運用の専門性が高まるとともに、スチュワードシップ・コードの受入れが広がり、実効的なスチュワードシップ活動が進められていくことを期待したい。

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