経済産業省産業組織課が『「攻めの経営」を促す役員報酬~新たな株式報酬(いわゆる「リストリクテッド・ストック」)の導入等の手引~』を公表

経緯

昨年、安倍晋三内閣の「『日本再興戦略』改訂2015」の一部で、中長期の企業価値創造を引き出すため株式による報酬を可能とするための仕組みの整備等を図るがうたわれた。

2015年7月に公表された経済産業省の「コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会」報告書は、これまで有利発行や仮装払い込みの点で、導入が難しいと考えられていたリストリクテッド・ストック(一定期間の譲渡制限が付された株式報酬/Restricted Stock 以下、RS)とパフォーマンス・シェア(一定期間の業績達成により譲渡制限が解除される株式/Performance Share 以下、PSの法的解釈を明確にし、導入するための手続きを整理した。それを受けて、この譲渡制限付株式の法人税および個人所得税での取り扱いを定めた税制改正法案が、2016年3月末に国会で成立し、2016年4月以降における株主総会等の決議で、RSおよびPSの導入が可能となった。

株式報酬の導入等の手引きについて

本手引きは、譲渡制限株式に関する税制(法人・個人)、会計、法規制(株主総会議案例、譲渡制限契約書例、金商法手続き)等に関する手続きがQ&A形式で、非常に丁寧に提供されており導入企業にとって非常に有用な情報となっている。

ただし、税制改正から6月総会までの時間が非常に短く、導入企業の担当者にとっては相当の負担となるとなる。したがって今期の導入は見送る企業が多く、本6月総会での導入企業数は限られると予想される。

これまで海外では当たり前だったRS・PSを実質的に解禁したことは高く評価される。本制度を通じて自社株の即時保有も可能となる。また受け取った役員による譲渡制限期間中の配当金の受領も可能で、企業は、報酬決議を行った付与時の公正価値部分について法人税の損金算入も可能となる。これまでRS・PSに対して代替的に使われてきた株式報酬型ストックオプション(一円行使価格のオプション)・株式給付信託等と比較してメリットも多く、攻めのガバナンスの面からも採用は増加すると予想される。

METIの手引きを読む-  「 『「攻めの経営」を促す役員報酬~新たな株式報酬(いわゆる「リストリクテッド・ストック」)の導入等の手引~』を作成しました」

http://www.meti.go.jp/press/2016/04/20160428009/20160428009.html

 

ペイ・ガバナンス日本 マネージング・パートナー

阿部直彦

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