大和総研:「上場企業の『第2回トップマネジメント意識調査』結果を発表」

「~コーポレートガバナンス・コードに対する企業の意識の高さが明らかに~
68%の企業が、投資家との建設的な対話に向けた新たな取組みや検討を開始し、
72%の企業で、社外取締役の選任・活用によりコーポレートガバナンスに変化

【調査結果に対する考察】

1.今後10年間の日本経済の強みに関しては、前回調査に続き「技術開発力」「製品・サービスの品質」「日本のブランド力」が上位回答であった。
技術、品質を含めて総合的に日本が信頼されている証しである「ブランド力」こそ日本の強みという考えが企業経営に根付いていることがわかる。しかし、テレビ等の家電製品やIT機器がそうであったように技術力や日本ブランドへの過信は禁物であり、それらを強み・成長エンジンとして活かす「戦略」の視点がより一層企業経営者には求められよう。

2.自社の経営課題に関しては、「新製品開発・新規事業」「M&A・業務提携」「人事政策」が上位回答であった。前回調査と比較すると、「新製品開発・新規事業」の回答率が大きく増加。コーポレートガバナンス・コード適用開始により、「稼ぐ力」を取り戻すための成長戦略が今まで以上に求められるなか、さらに外部環境は厳しさを増し、「成長」に対する企業の危機感は高まっている。その結果「新製品開発・新規事業」が強く意識されるようになったと考えられる。

3.これからの経営トップに求められる資質に関しては、前回同様、「先見性」「戦略的思考」「リーダーシップ」「環境変化対応」が上位の回答であり、さらにこれらへの回答率は増加している。コーポレートガバナンス・コードの導入を契機にリーダーの役割がより一層高まったことをうかがわせる結果となった。リーダーには成長に向け既存の枠組みにとらわれず、積極的にリスクをとる覚悟が期待されているのであろう。

4.投資家との関係に関しては、7割の企業が「建設的な対話の促進」が必要である、取り組んでいると回答。重視する内容としては「事業戦略・営業戦略」「中期経営計画」、コミュニケーションの手段としては「決算発表資料」が上位の回答であった。コーポレートガバナンス・コードは、経営戦略や経営計画の策定・公表について、株主に分かりやすく、納得性の高い説明を求めている。今回、経営者らが重視した内容は、これらの方針に合致すると見ることができる。

5.「稼ぐ力」を取り戻すためのコーポレートガバナンス改革として、「経営戦略や経営計画の策定・公表によるコミットメント」が2位以下を大きく引き離し1位の回答であった。投資家が具体的な目標値を強く求めていることが背景にあるものと思われる。しかし、投資家が真に知りたいことは決意表明した内容の実現に向けた具体的な取組みである。また、企業経営者にはその実現に向けたやりきる姿勢や執着心が同時に求められているといえよう。

6.社外取締役に関しては、7割を超える企業が、コーポレートガバナンスが「変化した」と回答。理由のトップは「経営の方針や経営改善について社外取締役より有効な助言がなされるようになった」であった。
今後、取締役会が株主のエージェンシーとしての役割を果たすため、最高経営責任者や取締役の選解任、報酬の決定などの経営を監督する機能について、いかに実効性を持たせるかが課題となるであろう。

7.役員の評価と報酬に関して6割の企業が「何らかの改革を行った」、もしくは「取組中」であり、特に重視する項目では「業績連動報酬の導入」「ストック・オプション等の株式に関する制度の導入」「評価指標の明確化」と続いた。役員の評価指標として採用している、あるいはふさわしい指標としては「経営計画の達成率」が1位の回答であった。
コーポレートガバナンス・コードは、「報酬決定の方針と手続き」の開示を求めている。株主や投資家が求めるものが、単年度の高業績から中長期の持続的成長へと徐々にシフト
していく中で、中期経営計画等の達成率を役員の評価指標とする企業が増えているものと考えられる。・・・・・・」

調査結果はこちら:
http://www.dir.co.jp/release/2016/20160307_010696.pdf

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