CII (Council of Institutional Investors)、コーポレート・ガバナンス・コードについて安倍総理、金融庁宛ての書簡

米国の大手機関投資家グループCII (Council of Institutional Investors)は12月5日にコーポレート・ガバナンス・コードについて安倍総理、麻生大臣、金融庁に以下の書簡を送りました。

http://bit.ly/1vxUuFG   (HP:  http://www.cii.org/ )

CIIはコーポレート・ガバナンス・コードについて既に今年の7月により詳しい内容の手紙を送りっていました(以下ご参照ください)。その内容は、外国の主要証券取引所が最重要視しているコーポレート・ガバナンス・コード又はベスト・プラクティスと概ね同じでした。独立社外取締役との数と委員会による詳しい活用方法は別として、金融庁が11月25日の有識者会議で配布したコードに関する「考え方」の最新ドラフト(http://bit.ly/12bJu59)はこれらの項目の多くを反映しました。日本の状況に適した説明もありました。

7月9日の書簡

http://bit.ly/1mXbeTD  (英語)  http://bit.ly/U0TdH1   (日本語版)

内閣総理大臣
自由民主党総裁
安倍晋三 様

拝啓、

時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

私共、Council of Institutional Investors (CII)は年金基金や従業員福利厚生基金、財団、各種基金など合計で300兆円以上の金融資産を運用している機関投資家が参加する米国の非営利、無党派団体です。CIIは、CIIメンバー、政策立案者、一般市民にコーポレート・ガバナンスや株主の権利、投資に関わる問題などについて教育をし、CII
メンバーの代わりにアドボカシーを行っています。1 CIIの代表としてこの手紙をお送りいたします。

CII は、企業の価値と収益性の持続的成長に重みを置き、来年までに国際的に評価されるコーポレートガバナンス・コードを導入するという目標にコミットした「『日本再興戦略』改訂 2014」の最も重要なセクションを熱烈に支持しています。

この点に関して、安部首相のリーダーシップを称賛いたします。金融庁と東京証券取引所がグローバルな期待に応えうる強力なコーポレートガバナンス・コードを策定すれば、スチワードシップとガバナンスの「好循環」を生み出すことができ、日本の資本市場に対する投資家の信頼をさらに強固なものにするでしょう。

世界最大級の機関投資家を含むCIIのメンバーは、ベストプラクティスのガイドラインとなる包括的なコーポレートガバナンス・ポリシーを承認しました。2これらのポリシーには、日本の新しいコーポレートガバナンス・コードがグローバルに受け入れられるためにコードに入れ込むべき多くの重要な要素が含まれています。極めて重要な課題についてのCIIポリシーの例は以下の通りです。

開示されたガバナンスに関するポリシーと倫理基準:  全ての企業はガバナンスの手続きやポリシー、役員と全従業員に適用される倫理基準と実施規定を書面にし、開示すべきである。
独立性のあるボード:  独立取締役は少なくともボードの三分の二以上を占めるべきである。独立取締役は務めている会社、会社の会長、CEO、その他の業務執行取締役と家族的、金銭的な繋がりを持つべきではない。会社は取締役が独立取締役として相応しいかどうか、株主が判断できるために必要な情報を開示すべきである。開示情報には、取締役と取締役の家族との金銭的、ビジネス上の関係、彼らへの支払い、そして彼らが従業員、役員として務めている会社、非営利団体、基金、その他の団体への重要な支払情報が含まれるべきである。
エグゼクティブセッション:  独立取締役は業務執行取締役や彼らのスタッフがいない場で、定期的にエグゼクティブセッションを開催すべきである。
見識の広い取締役: 取締役は独立した機関から取締役の受託者責任と法的責任についての研修を受けるべきである、取締役は独立性を保ちつつ、会社の事業に精通するよう自ら行動する義務を負っている。取締役は仕事をこなすために CEO から提供された情報だけに頼ってはならない。取締役は取締役会の前に適時、重要な情報を得、ボードに関わる問題について業務執行側と話し合いを持てる機会を与えられるべきである。
取締役の評価:  ボードは自らのパフォーマンスのレビューを定期的に行うべきである。評価には株主から反対票を多く投じられた、もしくは白票が多かった取締役のパフォーマンスや取締役としての質のレビューが含まれるべきである。
ボードの人数と兼任:  やむにやまれない非常事態を除き、ボードは 5 人以上、15 人以下で構成されるべきである(必要な専門知識と独立性を確保するのに十分かつ効率的に機能するために多すぎない人数)。ボードの人数の大きい変更に関し、株主の承認を得なければならない。
会社は取締役が、他社の取締役を何社まで兼務できるかについてのガイドラインを作成し、公表すべきである。特殊な場合を除き、フルタイムの仕事を持つ社外取締役は3社以上の社外取締役を兼務すべきではない。現職の CEO は、自社を含めない 2 社以上の取締役を兼務すべきではない。また、CEO は自社の業績が業界のトップクラスであった場合のみ兼務が許されるべきである。その他の取締役は6社以上の営利企業のボードに参加すべきではない。

上記の例や添付の CII コーポレートガバナンス・ポリシーで明確に示されている通り、CII のメンバーは十分な数の真に独立した取締役は良いガバナンスに必要不可欠である、と考えております。会社は経営者の報酬、また、取締役の指名に関し各委員会を設けるべきであり、各委員会の全委員は独立取締役であるべきです。

この手紙や添付の CII コーポレートガバナンス・ポリシーに記されている視座が日本初のコーポレートガバナンス・コード策定という意義あるタスクの参考になれば幸いです。我々は首相が立てた優先事項と目標について感銘を受けました。“Japan is Back”になることを願っています。

敬具
Ann Yerger
Executive Director

CC:
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
財務大臣

内閣府特命担当大臣(金融)
麻生太郎 様

経済再生担当
社会保障・税一体改革担当
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
甘利明 様

1 For more information about the Council of Institutional Investors, including its members, please visit CII’s website at http://www.cii.org/about_us  .
 2 Council of Institutional Investors, Corporate Governance Policies § 2.3 (updated May 9, 2014), http://www.cii.org/corp_gov_policies#BOD .

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