「ドッド=フランク法による内部告発者への報奨金と保護の強化」

JUSCPA(Japan Society of US CPAs)のホームページに掲載中の濱田眞樹人氏の記事、「ドッド=フランク法による内部告発者への報奨金と保護の強化」の転載です。

2011.10.20

ドッド=フランク法による内部告発者への報奨金と保護の強化

 サブプライム・ローン問題を端緒とする金融危機の再発防止を目的として2010年にオバマ大統領によってサインされた米国の金融規制法案「ドッド=フランク法(Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act)」の正式名称は、「An Act to promote the financial stability of the United States by improving accountability and transparency in the financial system, to end "too big to fail", to protect the American taxpayer by ending bailouts, to protect consumers from abusive financial services practices, and for other purposes.(金融システムの説明責任と透明性の改善により、「大き過ぎてつぶせない」ことをなくし、救済措置により米国納税者を保護し、不正な金融サービス慣行から消費者保護する等、米国の金融の安定を促進するための法)」です。
略称にクリストファー・ドッド(Christopher Dodd)上院銀行委員長とバーニー・フランク(Barney Frank)下院金融サービス委員長の両氏の名字を冠しており、2002年のサーベインズ=オクスリー法を連想させます。
 銀行に自己勘定取引、ヘッジファンドやプライベート・エクイティへの投資を禁じる、所謂ボルカー・ルール(Volcker Rule)を導入し、消費者金融保護局(Bureau of Consumer Financial Protection:BCFP)、金融安定監視協議会(Financial Stability Oversight Council:FSOC)を設置するなど、幅広い内容ですが、ここで注目するのはSECに対する証券法違反の報告に関して報奨金と内部通報者保護を強化して内部告発を奨励する新規定です。
制裁金額が100万ドルを超える場合10%から30%に相当する報奨金を定めており、海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act:FCPA)の執行に重大な影響を与えると考えられます。
FCPAの執行では、本年4月に日揮株式会社が米司法省に2億ドル以上の和解費用の支払を支払うことを公表しました(同社プレス・リリース平成23年4月7日付参照)。
同社は、ナイジェリアでのLNGプラントに関して米・仏のコンソーシアムに参加した際のナイジェリア政府関係者への贈賄行為の疑いに関してFCPA違反の調査を受けました。
会計・財務担当者が「財務部門以外での不祥事には関係ない」などと言える時代ではありません。
経営者の主導で、企業全体で倫理と不正防止に取り組む時代なのです。
JUSCPA濱田眞樹人

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