BDTIの日本におけるコーポレート・ガバナンスに関する意識調査 – 外国人長期居住者を対象にした調査結果との比較

外国人長期居住者を対象にした日本におけるコーポレート・ガバナンスに関する意識調査に72件の回答が集まりました。統計学的に有意な結果を示すには足りませんでしたが、さまざまな意見や、昨年行った日本人を対象にした意識調査との対比では興味深い結果を得ました。

この外国人対象の調査結果のなかで、対照的で特筆すべき点を以下にまとめました。 先に行った日本人対象の調査結果の概要は文末にあります。

回答者のうち約半数は日本語の読み書きに堪能であり、約65%は10年以上日本に居住している。約半数は、取締役か執行役員である。

日本人の取締役・執行役員の24.3%がコーポレート・ガバナンスを「よく知っている」と回答したのに対して、約半数の外国人回答者(日本人回答者のそれの2倍)が「よく知っている」と答えた。

外国人回答者の33%がコーポレート・ガバナンスに関する問題は日本の経済や株価の長期的な低迷と関係があると考えており、日本人回答者(43%)よりも少ない結果であった。外国人回答者は、より活性なM&A市場状況や移民等、経済や労働におけるその他の要因が入り混ざっていると考える傾向にあるようです。企業業績の低下に対応するためには会社法の改正が必要であると考える人は、日本・外国人回答者ともにほぼ同じ割合であった。

「取締役会が企業戦略やリスクに関して、深く活発な議論を行う事、そして年功序列や社内政治に影響される事なく実直な発言を行う事は、最良な企業成長戦略と健全な経営方針を決める上でとても重要だ。」という問いに、79%強の外国人回答者が「そう思う」と回答したのに対し、日本人回答者は64%であった。また、(日本人回答者の11.9%と比較して)1.7%の外国人回答者が日本企業の取締役会は社員の監督機能を果たしていると考えている。

外国人回答者は、いつになく勤務先の取締役会を控え目に評価しており、自社の取締役会を信頼しているという考える回答者の割合は低かった。55%の外国人回答者が、自社の役員は、法律、コーポレート・ガバナンスおよびファイナンスについて良く熟知していると考えてはいるが、自社のコーポレート・ガバナンスはおおむね満足していると答えたのは、わずか35%であった。

おそらくこのことから、日本人回答者よりも多くの外国人回答者が、役員は法律やコーポレート・ガバナンスなどの研修を受けるべきであると考えており(外国人回答者95%、日本人回答者76%)、88%の外国人回答者は、部長・課長についても研修を受けるべきと考えている(日本人回答者:61%)。

約26%の外国人回答者がガバナンスに関連する研修を受けており、うち86%が取締役会での任務を果たすのに役立ったと回答している。

日本人回答者よりもはるかに多い約78%の外国人回答者が、社外取締役に指名された場合、引き受けることを検討すると答え、92%が退職後に指名されたなら引き受けることを検討したいと答えている。後者の数値は、日本人回答者の割合(85%)よりも少しだけ上回った。

民主的ガバナンスの見地から、日本の政治における政策決定や立法過程等への信頼度、およびb)日本の上場企業の実質的なコーポレート・ガバナンスに対する信頼度は共に低く、「あまり信頼していない」と答えた人がそれぞれ58%、60%であった。これらの問いは、日本人対象のアンケートに含まれていないので、これに関しては比較できない。

去年行った4,119の日本人を対象にした意識調査の結果果

投稿者名の表示形式を選択してください: 

実名で投稿する。

BDTIは、マーケティングリサーチを専門とする株式会社マクロミルの協力の下、日本におけるコーポレート・ガバナンスに関する意識調査を実施致しました。報告書は次のリンクからダウンロード出来ます。 http://bdti.mastertree.jp/f/wjuyazc6

その中で、おそらく民主党と法務省の会社法制部会委員の皆様にとって興味深い結果をいくつか得られたのですが、特に以下の点は今月29日に議論するトピックに深く関連しています。

  「なお、勤務先の現状についての質問において、「役員が法律、コーポレート・ガバナンス、及びファイナンスを熟知していたとしても、真な意味で独立の社外取締役の数が増えない限り、ガバナンスの質は改善されないだろう」と回答したのは、取締役・執行役員の40.8%、部長・課長の48.4%、一般社員の50%となりました。(いずれも、役員候補者が指名される前に「役員研修を受けている企業」の場合です。)注目すべきは、取締役・執行役員よりも部長・課長クラス、また一般社員の方が独立社外取締役の数が増える事の重要性をより強く感じているという点です。加えて、勤務先での役員研修の有無を問わず、調査対象の会社員全体の40.7%が、勤務先で真に独立な社外役員が増えない限り、ガバナンスの質は改善されない、と考えていることも明らかとなりました。」

なお、上記の数字は会社員のみを対象にしたものですが非会社員に対してこの質問を含めたとしたら、(つまり日本国民全体の意見をより反映した結果は)、おそらくさらにこの数字を上回るものと思われます。なぜなら、他の質問において非会社員の方々は、日本のコーポレート・ガバナンス全体に対してより厳しい見方をしているという結果を得ました。

英語のより詳しい報告書  http://bdti.mastertree.jp/f/0p4olksn

BDTIについて BDTIでは、取締役や監査役など役員として、また業務執行役、部長など役員を支える立場の方としての基本的な能力を身に着けるための役員研修「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています。(オーダーメイド役員研修も、承っております。)また、「会社法」「金商法」「コーポレートガバナンス」の基礎をオンラインで学べる低価格のeラーニングコースを提供しています。詳細はこちらから。講座の概要は以下の通りです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です