2012.04.13 会社役員育成機構(BDTI)第7回セミナー『新フェーズに入った発行会社と機関投資家の関係~「株式持合い後」のIR』

公益社団法人 会社役員育成機構(BDTI)第7回セミナー
(協賛:ウエストロー・ジャパン株式会社 トムソン・ロイター)
(事前告知:変更の可能性あり)

『新フェーズに入った発行会社と機関投資家の関係~
「株式持合い後」のIR』

※パネリスト追加のお知らせ

株式会社アサツー ディ・ケイの取締役・取締役会議長である長沼孝一郎氏をパネリストとしてお迎えします。外国人株式保有比率が60%以上であるアサツー ディ・ケイ社は3月に開催される株主総会において社外取締役3人を含む取締役候補者の選任、また短期業績連動報酬である「業績賞与」と、長期業績連動報酬で ある「株式報酬型ストック・オプション」の2種類からなる業績連動報酬の導入を提案しています。パネル・ディスカッションでは長沼氏に日本では斬新的と思われるこのような仕組みを提案した背景をお話しいただきます。また、イギリスのロンドンに本拠地を置く大手広告代理店、WPP  plcでの取締役としてのご経験から、海外における取締役会と主要株主との関係についてお伺いします。

株式持ち合い解消や外国人機関投資家の存在感の高まりにより、発行会社と投資家の関係は確実に新しいフェーズに入っています。そのことを端的に表すのが、発行会社と投資運用会社の両方の側で開示される株主総会議案への賛否の結果です。反対票の多さは「会社提案への支持が保証される」時代が終わったことを示しています。

新しい時代の発行会社は、投資家からの高い評価を維持するために、あらゆる情報伝達と対話の機会を利用しなければなりません。そして自社戦略の優位性を投資家が納得する言葉で訴え、株主価値や持続的成長を重視する姿勢を明確にしなければなりません。印刷物、HP、会社説明会など従来型の「資料によるIR」だけでは最早十分なコミュニケーションがとれないのではないでしょうか。直接、投資家と向き合った「対話に基づくIR」が急務の時代が到来しています。

こうした流れの中で今年1月18日に、世界最大の資産運用会社の一つであるブラックロック・グループのローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)は、同グループの主要な運用先600社に書簡を送り、株主総会で取り上げられる問題を巡って経営陣との「対話を求める」意向を伝えました。 同氏はリーマン危機後に影響力を低下させたウォール街に替わって資産運用会社が金融市場でより大きな役割と義務を果たすことになるだろうとの見方を示し、昨年注目を集めました。フィンクCEOの書簡については、米国の企業法務で一時代を築いた大御所であるマーティン・リプトン弁護士が顧客へ向けた覚書の中で取り上げ、主要機関投資家と発行会社とが建設的にコーポレートガバナンスの問題に取り組むことに期待の意を表明しています。

今回のセミナーでは、ブラックロック・グループの日本法人で株主総会での議決権行使を担当する江口高顯氏をお招きし、国際比較を参考に「持ち合い解消後の経営者と株主の新しい関係」やその具体的な展開について、お話をうかがいます。次に、投資家と会社が緊迫した関係で向き合う場面での助言経験が豊富なスティーブン・ギブンズ弁護士から、新しいフェーズにおける発行会社のIRのあり方について、特に株主対応と対話戦略に焦点を当て、要諦を伝授していただきます。

【開催日時】  2012年4月13日(金)15:30 – 18:00 (開場 15:00)

【開催場所】  トムソン・ロイター・マーケッツ株式会社 赤坂オフィス セミナールーム
(東京都港区赤坂5-3-1赤坂Biz タワー30 階)
http://www.biztower.net/access/img/access.pdf

【参加費】   5,000 円 (税込)

【定員】    75名

【協賛】    ウエストロー・ジャパン株式会社、 トムソン・ロイター

【協力】    在日カナダ商工会議所

【講師等紹介】
江口 高顯(えぐち たかあき)氏:講師
ブラックロック・ジャパン株式会社、ディレクター、コーポレートガバナンスチーム

東京大学理学部物理学科卒業。同大学院科学史専攻。米ペンシルバニア大学大学院経済学修士。社団法人日本経済研究センター研究員を経て、1989年より米フランク・ラッセル・カンパニーの日本拠点および米国本社にて金融機関・機関投資家向けコンサルティングに従事。1998年よりバークレイズ・グローバル・インベスターズの米国拠点にて運用ストラテジー開発に携わった後、同グループ日本拠点(バークレイズ・グローバル・インベスターズ株式会社)にて2003年より内外株式の議決権行使を担当。ブラックロックとの経営統合に伴い2009年12月より現職。ブラックロック・グループにおける日本株式の議決権行使を担当。最近の著作には「株式会社の支配をめぐる経営者と株主の力関係―各国比較と日本の株式持ち合いへの示唆」宍戸善一編『「会社法」の改革の論理:インセンティブシステムの制度設計』第8章、日本経済新聞社(2011年)がある。

スティーブン・ギブンズ氏:講師
ニューヨーク州弁護士、外国法事務弁護士(第二東京弁護士会) 、青山学院大学法学部法学科教授

ハーバード大学ロースクール法学博士 (J.D.) 、京都大学法学部文部省奨学金研究員。80年代から大手米国ローファーム東京事務所のパートナーとして日本企業の米国における大型M&A及び不動産投資案件を中心に活躍。2000年代から日本企業のアジア、南米、欧州への投資案件にも携わる。2003年~2007、8年には当時、頻繁に行われた外国株主の増配提案、プロクシーファイト等にも関与した。その経験に基き日本の上場会社の株主対策、IR戦略、コーポレートガバナンスのコンサルティングを行う。

長沼 孝一郎氏:パネリスト
株式会社 アサツー ディ・ケイ 取締役・取締役会議長

1981年 株式会社旭通信社(現 株式会社 アサツー ディ・ケイ)に入社。
2001年 同社代表取締役社長に就任
2010年 同社代表取締役会長に就任
2011年 同社 取締役・取締役会議長に就任(現任)

他にも、社団法人日本広告業協会 副理事、日本広告業厚生年金基金 理事長、社団法人 日本イベント産業振興協会 理事および社団法人 ACジャパン 理事を務める。2007年に第47回日本宣伝賞吉田賞を受賞。

ニコラス・E・ベネシュ(司会)
BDTI代表理事

米国スタンフォード大学政治学学士号取得後、米国カリフォルニア大学(UCLA)で法律博士号・経営学修士号を取得。旧 J.P.モルガンにて11年間勤 務。米国カリフォルニア州及びニューヨーク州における弁護士資格、ロンドンと東京で証券外務員資格取得。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)の理事兼成 長戦略タスクフォース座長を務める。2010年より、法務省と法制審議会会社法部会に対し会社法改正に対して意見を提供している金融庁主催コーポレートガ バナンス連絡会議に所属する。これまでに、在日米国商工会議所理事、同対日直接投資タスクフォース座長、内閣府対日直接投資会 議専門部会の外国人特別委員、株式会社アルプスの取締役、スキャンダル後の株式会社LDH(旧名ライブドア)、株式会社セシールの社外取締役を歴任した。

◆ お申し込みは以下のボタンをクリック、ウエストロー・ジャパン株式会社様の特設ページよりお願い致します。

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